ドイツを旅行するとき、あるいは暮らし始めたときに気になるのが「チップ文化」。「レストランではいくら渡せばいいの?」「チップを渡すタイミングがわからない…」など、迷う場面も多いのではないでしょうか。
今回は、ドイツのチップ事情をシチュエーション別に詳しく解説します。旅行者にも生活者にも役立つよう、金額の目安やスマートな渡し方もご紹介します。チップはドイツ語で Trinkgeld トリンクゲルト と言います。
レストラン・カフェでのチップ
ドイツではレストランやカフェでのチップは習慣として根付いています。料金にサービス料が含まれていることが多いですが、それでも「満足したサービスに感謝を示す意味」でチップを渡すのが一般的です。
金額の目安
- 合計金額の**5〜10%**程度が目安
- 少額の会計(10ユーロ前後)なら1ユーロ程度でもOK
- 3人でディナーを食べて合計98EURだった → 108 EUR~110EURあげればOK
スマートな渡し方
ドイツでは現金で会計する際に、その場で合計金額を指定するのがスマートです(ドイツのレストランでは日本のようにレジで会計せず、各テーブルに担当の店員さんが計算に来ます)。
例:
- 店員「12ユーロです」
- あなた「14ユーロでお願いします(Vierzehn, bitte. フィアツェーン・ビッテ)」
これで2ユーロがチップとして渡されることになります。小銭を置いて席を立つスタイルは一般的ではありません。
タクシーのチップ
タクシーでは、チップは必須ではありませんが、端数を切り上げて渡すのがマナーとされています。
金額の目安
- 合計金額の5〜10%
- 少額の移動であれば1〜2ユーロのチップで十分
スマートな渡し方
「おつりは取っておいてください(Stimmt so. シュティムト・ゾー)」と言って切りの良い額を渡すとスムーズです。例:18,60 EUR → 20 EUR
ホテルのチップ
ホテルのチップは義務ではありませんが、特別なサービスを受けた場合や高級ホテルでは渡すのがスマートです。
渡す相手と目安
- ポーター:荷物1個につき1〜2ユーロ
- ルームサービス:1〜2ユーロ
- ハウスキーピング:1泊につき1〜2ユーロを枕元に置くと◎
美容院・理髪店
美容院や理髪店でも、チップは好意として渡すものです。
金額の目安
- 合計金額の**5〜10%**が目安
- 切りのいい額にしておくと喜ばれます
渡し方
会計時に「おつりは要りません」と伝えるか、現金で支払う際に端数を切り上げて渡しましょう。カウンターに Trinkgeld 用の貯金箱を置いている店もあります。
デリバリーサービス(Uber Eatsなど)
デリバリーにおいてもチップは必須ではないものの、良識的なマナーとして定着しています。
金額の目安
- 1〜2ユーロ
- 悪天候や重い荷物の場合はもう少し多めに渡すのもよいでしょう
渡し方
デリバリー受け取り時に直接手渡しが最もシンプル。
オンライン決済の場合、アプリ上でチップのオプションを選択する形も多いです。
大道芸人・電車内の演奏者など
駅前や電車内で、アコーディオンを弾きながら歌を披露する人たちに遭遇することもあります。
観光客には印象深い風景かもしれませんが、基本的には任意の投げ銭であり、強制されるものではありません。
チップを渡してもよい場合
- 演奏がよかったと感じたとき
- 写真や動画を撮らせてもらったとき
目安としては1~2ユーロの小銭を帽子や楽器ケースに入れるのが一般的です。
渡したくない場合は?
- 無言で首を振る、あるいは目を合わせず無視して問題ありません。
- 「Nein, danke(いいえ、結構です)」と断ってもOK。
その他:公衆トイレのチップ文化
意外と知られていないのが、公衆トイレの利用時のチップ。駅やショッピングモールのトイレでは、清掃スタッフがチップ箱を設置していることがあります。
金額の目安
- 0.5〜1ユーロ程度の小銭
注意点
必須ではありませんが、清潔なトイレ環境に感謝の気持ちを込めて渡すのがドイツ流の礼儀です。場所によっては有償のトイレ(0.5〜1ユーロ)もあるので、小銭はいつでも確保しておくと良いですよ。
チップ文化を理解してスマートにドイツ体験を!
ドイツではアメリカのような強制的なチップ文化はありませんが、感謝の気持ちをチップで表現することは社会的に好まれています。
渡さなかったからといって嫌な顔をされることはありませんが、渡せば確実に好印象。現地のマナーを知り、スマートな旅行者・生活者を目指しましょう!

チップは“ありがとう”の小さな気持ち。無理せず、自分が気持ちよく払える範囲で大丈夫ですよ〜
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