ドイツ観光といえば、ノイシュヴァンシュタイン城やライン川クルーズが思い浮かぶかもしれませんが、もう一つ忘れてはならないのがローテンブルク・オプ・デア・タウバー。フランケン地方に佇むこの街は、中世そのままの姿を今に残す、美しい町並みで知られています。
この記事では、主要都市からのアクセス、街の歴史、おすすめの観光ルート、魅力的なショップやレストラン情報まで、ローテンブルク観光に役立つ情報をたっぷりとご紹介します。
アクセス|主要都市からの行き方
フランクフルトからのアクセス
フランクフルト中央駅からローテンブルクまでは、電車で約2時間半〜3時間。
ヴュルツブルク(Würzburg)またはアンスバッハ(Ansbach)を経由するルートが一般的です。
ICEでまずヴュルツブルクへ向かい、そこからRB(地域電車)に乗り換えます。
ミュンヘンからのアクセス
ミュンヘンからは3時間ほど。ニュルンベルクまたはアンスバッハ経由が定番ルートです。
乗り換えはありますが、各駅の案内表示がしっかりしているので、迷わず移動できます。
バイエルンチケットの活用
1日乗り放題の「バイエルンチケット」を使えば、交通費を節約しながらローカル列車でのんびり移動可能。グループ旅行にもおすすめです。
歴史背景|中世都市の残照
ローテンブルクの歴史は、12世紀にタウバー川沿いに築かれた城に始まります。13世紀には帝国自由都市として商業と職人文化で繁栄し、周囲の田園地帯からも多くの人々が集まりました。
30年戦争では甚大な被害を受け、一時的に衰退しますが、その後の再建により中世の町並みが奇跡的に保存されることとなります。
ナチス時代には「ドイツ的なるもの」の象徴として利用され、戦後は観光都市として再び脚光を浴びます。現在では「ロマンティック街道」のハイライトとして、世界中の観光客が訪れる人気スポットになっています。
徒歩でめぐる観光ルート
ローテンブルクは城壁に囲まれたコンパクトな街。徒歩での観光が最も効率的です。
以下のルートを参考に、街の魅力を存分に味わってください。
- マルクト広場(Marktplatz):街の中心にある広場で、市庁舎(Rathaus)や観光案内所、土産物店が集まっています。市庁舎の塔は展望台としても開放されており、上からは赤茶色の屋根が広がる旧市街を一望できます。広場では季節ごとのイベントも開催され、特に冬のクリスマスマーケットの時期には、イルミネーションと屋台で幻想的な雰囲気に包まれます。カフェやベーカリーも多く、散策の合間に一息つくのにぴったりです。

- 聖ヤコブ教会(St. Jakobskirche):14世紀から16世紀にかけて建てられたゴシック様式の教会で、ローテンブルクの宗教建築の中でもとくに重要な存在です。見どころは、彫刻家ティルマン・リーメンシュナイダーによる「聖血の祭壇」。繊細な木彫と宗教的なストーリーが一体となった作品は、思わず息を呑む美しさです。また、ステンドグラスの窓や、壮麗なパイプオルガンなど、建築芸術の粋を感じられます。静けさの中で祈りを捧げる地元の人々の姿も印象的です。

- クリスマス村「ケーテ・ヴォールファルト」(Käthe Wohlfahrt):一年中クリスマス気分が味わえるドイツを代表するクリスマス専門店。外観からしてすでに夢のようですが、店内には天井まで積み上げられたオーナメントやミニチュアハウス、くるみ割り人形などが所狭しと並びます。併設のクリスマス博物館も見応えたっぷりで、ドイツ各地の伝統的な飾りの歴史を学ぶことができます。店員さんのホスピタリティも素晴らしく、観光客との交流も楽しめます。

- 中世犯罪博物館(Mittelalterliches Kriminalmuseum):中世の法律、裁判、刑罰について学べるユニークな博物館。拷問器具や公開処刑の道具など、かなり刺激的な展示が多くありますが、当時の社会構造や正義感を理解する貴重な機会でもあります。英語の解説も充実しており、学びの多い施設です。特に子どもから大人まで、法と秩序の変遷に興味がある方にはおすすめ。建物自体も中世の雰囲気が色濃く、まるで時代を超えたかのような感覚が味わえます。

- プレーンライン(Plönlein):ローテンブルクを象徴する風景としてガイドブックなどでもおなじみの場所。斜めに立つ小さな黄色い家と、それを囲むように二つの塔(ジーバース塔とコーブル塔)が並びます。まさに絵本の中に入り込んだかのような光景で、どの角度から写真を撮っても絵になります。朝の光に照らされる様子や、雨上がりの石畳の反射など、時間帯によって異なる表情を見せるため、何度訪れても飽きることがありません。

- 城壁ウォーク(Stadtmauer):ローテンブルクの旧市街は全体が城壁で囲まれており、その上を歩くことができます。途中にはかつての防衛塔や、寄付者の名前が記された石版などがあり、街を守ってきた歴史を感じられる散策路です。早朝や夕暮れ時の散策はとくにおすすめで、観光客の少ない静けさとともに城壁からの景色を堪能できます。全長は約2.5kmと手頃で、各出入口から自由にアクセスできるため、自分のペースで楽しめるのも魅力です。

所要時間は約3時間。小休憩を挟みながらのんびり散策がおすすめです。
おすすめショップ&レストラン
● レストラン・バウマン(Restaurant Baumeisterhaus)
美しいルネサンス建築の建物内にある伝統的ドイツ料理のレストラン。
シュヴァインスブラーテンやソーセージ、地元の白ワインが楽しめます。
● カフェ・ツッカースキン(Zuckerbäckerei)
ローテンブルク名物「シュネーバル」が楽しめる老舗カフェ。
チョコレートやシナモン風味などバリエーションも豊富です。
● ケーテ・ヴォールファルト本店(Käthe Wohlfahrt)
クリスマスグッズの専門店。一年中クリスマスムードが楽しめる魔法の空間。
お土産にもぴったりのオーナメントやくるみ割り人形が豊富に揃います。
● タウバー陶器工房(Töpferei am Taubertal)
地元の作家による手作り陶器が揃う工房。
実用性とデザイン性を兼ね備えたマグカップやお皿は贈り物にも最適です。
ワンポイント豆知識
ローテンブルクの多くの観光施設は夕方に閉館してしまうため、日帰りよりも1泊滞在がおすすめ。夜のライトアップされた街並みや、早朝の静かな石畳の道を散策する贅沢を味わってみてください。
おわりに
ローテンブルク・オプ・デア・タウバーは、中世の香りが色濃く残る、まさにおとぎ話のような街。その保存状態の良さと観光客へのホスピタリティの高さから、多くの人々を魅了し続けています。
春〜秋は特に花々が街を彩り、観光にもぴったりの季節。
ぜひ、あなたのドイツ旅行にローテンブルクを加えてみてはいかがでしょうか?
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