【2月が本番!】ドイツのカーニバルとは?宗教的な意味・日程の決まり方・有名な街をわかりやすく解説

カーニバルの時期に食べられるベルリーナー ドイツ生活と文化
カーニバルの時期に食べられるベルリーナー(筆者監修AI画像)
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「カーニバル」という言葉を聞いて、あなたはどんな光景を思い浮かべますか?日本だと、アメリカ映画のような 移動遊園地や屋台が並ぶお祭りを思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、ドイツの「カーニバル」は、私たちが想像するイベントとは全く別物。深い歴史と宗教的な背景を持つ、ドイツ最大級の伝統行事なのです。

まいん
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この記事では、カーニバルの意味や日程の仕組み、有名な街の見どころを詳しく解説します。

ドイツのカーニバルとは?地域で違う「呼び名」の秘密

ドイツ各地では、同じ時期の行事でも呼び方が異なります。これは、それぞれの地域の歴史や方言が反映されているためです。

3つの「呼び名」

ライン地方で親しまれる「Karneval(カーニバル)」

ライン川流域のケルンやデュッセルドルフなどで使われる最も一般的な名称です。ラテン語の「肉よ、さらば(carne vale)」が語源の一つと言われており、断食に入る前の祝祭期間を指すものとして理解されます。この地域では「カーニバルは第5の季節」と言われるほど、11月から数ヶ月かけて準備が行われます。

パレードでは豪華な山車からお菓子が雨のように撒かれ、街中が歌とダンスで満たされる、非常に社交的で明るい雰囲気なのが特徴です。

南ドイツやバイエルンの「Fasching(ファッシング)」

ミュンヘンを含む南ドイツやオーストリアで一般的に使われます。語源には諸説ありますが、古ドイツ語の「断食(Fasten)」「飲み物を注ぐ(schank)」に関連する語から来ているとする説が広く知られています。

ライン地方のパレードとは少し異なり、豪華な衣装をまとった舞踏会(公的なパーティー)や、地域密着型の小さなパレードが中心となります。伝統的な要素もありつつ、どこか華やかでエレガントな「社交の場」としての側面が強いのがこの地域の面白さです。

伝統を重んじる「Fastnacht(ファストナハト)」

シュヴェービッシュ・アレマン地方(ドイツ南西部)などで使われます。「断食(Fasten)の前夜(Nacht)」を意味すると考えられています。

ここではお菓子を撒く華やかなパレードではなく、恐ろしい形相の木彫りのお面を被った「魔女」や「悪魔」が街を練り歩く、古風な伝統が色濃く残っています。冬の悪霊を追い払うという儀式的な意味合いが強く、中世から続く少しミステリアスな空気感を味わうことができます。

カーニバルの宗教的な意味と「非日常」の役割

ドイツのカーニバルは、単なる仮装パーティーではありません。その根底にはカトリックの教えがあります。

四旬節の前に楽しむ「最後の晩餐」と身分を隠すための「仮装」

キリスト教では、イースター(復活祭)の前の40日間を「四旬節」と呼び、かつては肉や卵などを断つ厳しい断食が行われていました。カーニバルは、その厳しい制限期間に入る前に「今のうちに食べて、飲んで、楽しもう!」という発想から生まれた行事です。

カーニバルの大きな特徴である「仮装」には、単に楽しむ以上の意味があります。この期間だけは、日常の身分や階級がリセットされます。庶民が貴族や王様の格好をして政治を批判したり、大人が子供のように振る舞ったりと、社会のルールが一時的に「逆転」することが許される特別な期間なのです。

なぜ毎年日付が変わる?カーニバル日程の計算方法

「今年のカーニバルはいつ?」と毎年話題になるのは、日程が固定されていないからです。

復活祭(イースター)から逆算される仕組み

カーニバルの本番の日付は、毎年変わる「イースター(復活祭)」の日付によって決まります。イースターは教会暦上の春分の後、最初の満月の次の日曜日というルールがあり、その約46日前の「灰の水曜日」までがカーニバル期間となります。※ここでいう春分は、日本の祝日の春分の日とは異なり、教会暦上で3月21日と定められています。

▶イースターの詳しい記事はこちら
ドイツの春を彩る「イースター」ってどんな日?〜祝日の過ごし方と街の様子〜

実は、カーニバルの準備期間は11月11日11時11分から始まっています。これを「第5の季節」と呼びますが、街中が仮装であふれ、本格的に盛り上がるのは2月の本番期間に入ってからです。

2026年以降のカーニバル日程一覧表

カーニバルのハイライト(2月〜3月)灰の水曜日(終了日)
2026年2月12日〜2月17日2月18日
2027年2月4日〜2月9日2月10日
2028年2月24日〜2月29日3月1日
  • 2026年:Weiberfastnacht 2/12、Rosenmontag 2/16、Faschingsdienstag 2/17、Aschermittwoch 2/18
  • 2027年:Weiberfastnacht 2/4、Rosenmontag 2/8、Faschingsdienstag 2/9、Aschermittwoch 2/10
  • 2028年:Weiberfastnacht 2/24、Rosenmontag 2/28、Faschingsdienstag 2/29、Aschermittwoch 3/1

カーニバル期間のハイライト!特に重要な3つの日

木曜日から水曜日まで続くカーニバルウィーク。その中でも、特に盛り上がりを見せる重要な3日間を押さえておきましょう。

木曜日の「女性のカーニバル(Weiberfastnacht)」

この日は主にライン地方などで、女性が主役となる日です。 「Weiberfastnacht(ヴァイバーファストナハト)」と呼ばれ、この日から街中での本格的なお祭りがスタートします。街の権力を象徴する「市長から鍵を奪う」儀式が行われたり、女性が男性のネクタイをハサミで切っても良い(権威を壊す象徴)というユニークな風習がありますが、これは主にライン地方を中心とした地域的な伝統です。

最大の盛り上がり!「バラの月曜日(Rosenmontag)」

カーニバル全体のクライマックスであり、最も多くの人が街に繰り出すのが「Rosenmontag(ローゼンモンターク)です。多くの都市で、数キロにわたる巨大な山車が練り歩く大パレードが行われます。山車の上からは、「カメレ(お菓子)」や「シュリュッセル(花)」が雨のように投げられ、沿道の子供から大人までが夢中で手を伸ばします。単なるパレードではなく、その年の政治や社会問題を鋭く批判した「風刺山車」が登場するのも、バラの月曜日の大きな見どころです。

祭りの終わりを告げる「灰の水曜日(Aschermittwoch)」

楽しかった狂乱の日々も、火曜日の深夜に幕を閉じます。明けた「Aschermittwoch(アッシャーミットヴォッホ)」からは、カトリックの教えに基づいた静かな節制の期間へと入ります。信者は教会を訪れ、額に灰で十字の印を受けることで、一連のどんちゃん騒ぎを反省し、イースター(復活祭)に向けた心の準備を始めます。レストランでは、お肉の代わりに魚料理を食べる習慣が今も残っています。

ドイツ三大開催地!パレードが有名な街の見どころ

カーニバルを本気で楽しむなら、以下の3つの都市が有名です。それぞれの街で熱狂の仕方が異なります。

100万人規模の熱狂!「ケルン」

ドイツ最大、世界でも有数の規模を誇るカーニバルの聖地ケルンです。 掛け声は「Alaaf(アラーフ)」で、パレードの日は街中がチームカラーの赤と白に染まります。 100万人以上が詰めかける混雑の中でも、見ず知らずの人と肩を組んで歌い、ビール(ケルシュ)を酌み交わす社交的でオープンな熱狂ぶりがケルンの最大の特徴です。

ケルンのカーニバルの音楽隊
ケルンのカーニバルの音楽隊 *1

鋭い政治風刺が魅力の「マインツ」

「Helau(ヘラウ)」という掛け声で知られるマインツは、パレードに登場する山車の「政治風刺」の鋭さが天下一品です。 単に賑やかなだけでなく、その年の社会問題を痛烈に、かつユーモアたっぷりに表現する巨大な張り子人形は、メディアでも毎年大きな注目を集めます。 知的な笑いと伝統が融合した、ライン地方らしい祭りの形が見られます。

マインツのカーニバルの行進
マインツのカーニバルの行進 *2

芸術的な山車が並ぶ「デュッセルドルフ」

ライン地方のもう一つの中心地であり、ケルンの良きライバルです。 ここのパレードは、山車の造形美や芸術的なクオリティが非常に高いことで知られています。 ケルンと同じく「Helau」の掛け声を使いますが、演出には独自の美学があり、細部まで作り込まれた華やかな山車が次々と現れる光景は見応え十分です。

デュッセルドルフの子どもカーニバル行進
デュッセルドルフの子どもカーニバル行進 *3

カーニバルに欠かせない定番菓子「ベルリーナー」

カーニバルの時期になると、ドイツ各地で定番として食べられるのが、ベルリーナー(Berliner)と呼ばれる揚げ菓子です。粉砂糖をまとった丸い見た目が特徴で、特に謝肉祭から灰の水曜日直前にかけてよく登場します。

カーニバルの時期に食べられるベルリーナー

地域による呼び名の違い

この菓子は地域によって名前が異なります。

  • 北・西ドイツ:Berliner(ベルリーナー)
  • 南ドイツ・オーストリア:Krapfen(クラプフェン)
  • ベルリン周辺:Pfannkuchen(ファンクーヘン/伝統的な呼び名)
  • フランクフルト周辺:Kreppel(クレッペル)

観光客向けや一般的な説明では Berliner が最も通じやすい名称ですが、筆者の住むフランクフルトでは今でも Kreppel という呼び名が日常的に使われています。

なぜカーニバルに食べるのか

ベルリーナーがカーニバルの時期に食べられるのは、四旬節(断食期間)に入る前に、砂糖・バター・ラード(脂)をたっぷり使ったものを食べ切るという、キリスト教文化に由来する風習があるためです。その象徴的なお菓子として、ベルリーナーが広く親しまれてきました。

職場や家庭、スーパーやベーカリーでも普通に並び、この時期ならではのお菓子として定着しています。

まとめ|ドイツの伝統行事をより深く楽しむために

ドイツのカーニバルは、冬を追い払い、新しい春と節制の期間を迎えるための大切な儀式です。

  • イースターの日付から逆算されるため、毎年時期が変わる
  • 「バラの月曜日」のパレードが最大のイベント
  • 日常のルールを忘れ、誰もが平等に楽しむ文化がある
まいん
まいん

この背景を知っていると、ただパレードを眺めるよりもずっと深く、ドイツの文化を味わえるはずです。ぜひ仮装をして、本場の熱気の中に飛び込んでみてください!

💡豆知識|Faschingszoll(別名:Narrenzoll)

カーニバルの時期になると、地域によっては子どもたちが道にロープや棒を渡し、通りかかった大人を止めて「お菓子ちょうだい」「小銭ちょうだい」と声をかけてくることがあります。

これが Faschingszoll(ファッシングスツォル)。直訳すると「カーニバルの通行料」といった意味ですが、Narrenzoll(ナーレンツォル=道化者の通行料)とも呼ばれます。

もちろん、本当に通行料が必要なわけではありません。カーニバルの期間だけ許される、子どもたちによるちょっとした“いたずら”のような風習で、言うならばハロウィーンの「トリック・オア・トリート」のようなものです。

この習慣は、カーニバル最終日の Faschingsdienstag(火曜日) に行われることが多く、ドイツ全土で見られるわけではありませんが、いくつかの地域では昔から続いています。

まいん
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筆者の住むフランクフルトでも、子供たちが「Faschingszoll!」と声をかけてくることがあります。カーニバルの時期は、ちょっとした小銭や、お菓子をバッグに入れておくといいですね。

出典:
1*© Neva Micheva / CC BY 2.5
2*© Schiplagerheide / CC BY-SA 4.0
3*© Solches / CC BY-SA 4.0

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この記事を書いた人
まいん

ドイツ在住20年。実際の体験をもとに、暮らし・歴史・文化・観光のリアルな情報をお届けしています。

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