エルベ川のほとりに広がる街、ドレスデン。その優雅な街並みは「エルベ川の真珠」と呼ばれ、芸術と音楽、そして歴史の香りが調和するドイツ屈指の美都です。戦火によって一度は失われた街は、市民の力で奇跡的に再建され、いま再びバロックの輝きを放っています。
この記事では、そんなドレスデンの魅力を、アクセス情報からおすすめ観光スポット、街歩きモデルコースまで丁寧にご紹介します。芸術と歴史が息づくこの街を、ゆっくりと巡る旅のようにお楽しみください。

私が初めてドレスデンを訪れたのは、なんと2004年のことなんですよ。
当時はまだ再建途中で、今とはまったく違う姿でした。
美しく蘇った姿を見ると、なんとも感慨深いものがあります。
ドレスデン観光に行く前に! 基本情報とアクセス
ドレスデンは旧東ドイツに属し、チェコとの国境近くに位置する都市です。首都ベルリンからは南へ約190キロの場所にあります。
ベルリンからドレスデンへのアクセス
ドレスデンへは、首都ベルリンからのアクセスが最も一般的です。ベルリン中央駅(Berlin Hauptbahnhof)からドレスデン中央駅(Dresden Hauptbahnhof)へは、ICE(高速列車)またはIC(インターシティ)で約2時間〜2時間半。乗り換え不要で快適に移動できます。チケットはドイツ鉄道(DB)から購入可能で、早めに予約すればSparpreis(早割料金)が利用できる場合もあります。
よりリーズナブルに移動したい場合は、長距離バスFlixBusもおすすめです。所要時間は約2時間半〜3時間。ベルリン市内の複数のバスターミナルから発着しており、日中・夜行どちらの便も選べます。
時間にゆとりのある人は、ドイツ全国を定額で移動できるドイチュランドチケット(Deutschlandticket)もおススメです。このチケットを使えば、地域列車(RE、RB)を利用して乗り換えながらの旅が可能です。➡ 詳しくは[Deutschlandticketは旅行者も使える?購入方法・注意点まとめ]へ
ドレスデン中央駅からの市内移動手段
ドレスデン中央駅(Dresden Hauptbahnhof)から旧市街までは徒歩でもアクセス可能で、約15〜20分ほどです。市電(トラム)を利用する場合は、No.3・7・8・9番線などが便利で、旧市街中心部までは数分で到着します。
絶対に外せない!ドレスデン観光の必見スポット
観光の中心エリアはコンパクトにまとまっているため、主要スポットの多くは徒歩で巡ることができます。日帰り観光でも効率よく楽しめるのがドレスデンの魅力です。
👣徒歩でめぐるモデルコース
1️⃣ ドレスデン中央駅(Dresden Hauptbahnhof)
2️⃣ フラウエン教会(聖母教会)(Frauenkirche Dresden)
3️⃣ ノイマルクト広場(Neumarkt)
4️⃣ ツヴィンガー宮殿(Zwinger Dresden)
5️⃣ ゼンパーオーパー(Semperoper Dresden)
6️⃣ 君主の行列(Fürstenzug)
7️⃣ ブリュールのテラス(Brühlsche Terrasse)
8️⃣ アルベルティヌム美術館(Albertinum)
9️⃣ アウグストゥス橋(Augustusbrücke)
ドレスデン中央駅(Dresden Hauptbahnhof)
ドレスデンの玄関口となる中央駅は、19世紀末に建てられた歴史ある建築です。アーチ状のガラス屋根が印象的で、現在もIC・ICEなど長距離列車の主要拠点として機能しています。駅構内にはカフェやショップも多く、観光前の休憩や軽食にも便利です。

フラウエン教会(Frauenkirche Dresden)
ドレスデン旧市街の中心、ノイマルクト広場に立つバロック様式の教会です。第2次世界大戦で瓦礫となりましたが、市民の寄付によって2005年に再建され、いまでは街の象徴として親しまれています。内部見学やドーム展望台(有料)も人気で、旧市街の街並みを一望できます。
An der Frauenkirche, Dresden 公式サイト(英)
営業時間(見学可能時間):
月〜金:10:00〜11:30、13:00〜17:30 土・日:時間変動あり(公式カレンダー参照)

ノイマルクト広場(Neumarkt)
フラウエン教会の前に広がる旧市街の中心広場で、カフェやショップが立ち並ぶ人気エリアです。
戦後に再建された周囲のバロック風建築が、往時の街並みを見事に蘇らせています。
Neumarkt, Dresden 公式サイト(独)

ツヴィンガー宮殿(Zwinger Dresden)
18世紀初頭に建てられた壮麗なバロック建築で、かつては王室の祝典や庭園として使われていました。現在は「アルテ・マイスター絵画館」など複数の美術館を擁し、世界的名画を鑑賞できる文化の中心地です。中庭を囲む回廊や噴水は一般公開されており、散策だけでもその優雅な雰囲気を楽しめます。Sophienstraße, Dresden 公式サイト(英)
ツヴィンガー宮殿の中庭および外回廊は、毎日6:00〜20:00に無料で開放されています。館内展示「Zwinger Xperience」や「アルテ・マイスター絵画館」などの入場料金は、それぞれ公式サイトZwinger Xperience(英) ドレスデン美術館(SKD)(日本語)で確認できます。

ゼンパーオーパー(Semperoper Dresden)
歴史ある街並みにそびえるドレスデンのオペラ劇場。1841年に建設され、戦火と火災を経て1985年に再建されました。今では世界的にも評価の高い音響と舞台設備を備え、歌劇だけでなくバレエやコンサートでも人気のスポットです。Theaterplatz 2, Dresden 公式サイト(英)
営業時間(チケット窓口)/その他情報:
月〜金:10:00〜18:00、土:10:00〜17:00(1〜3月・7〜8月は土曜10:00〜13:00)

君主の行列(Fürstenzug)
旧王宮の外壁に描かれた、全長約102メートルの壮大な壁画。ザクセン公国の歴代君主たちの行進を描いたもので、約23,000枚ものマイセン磁器タイルでできています。ドレスデンを代表する名所のひとつで、近くにはフラウエン教会も見え、街歩きの途中でぜひ立ち寄りたいスポットです。Augustusstraße, Dresden
見学時間:
通り沿いにあるため、24時間いつでも観覧可能(無料)

ブリュールのテラス(Brühlsche Terrasse)
「ヨーロッパのバルコニー」とも呼ばれる、エルベ川沿いの美しい遊歩道です。川面と旧市街の建築群を一望でき、朝夕の散歩にもぴったり。ベンチに腰掛けて、ドレスデンの街並みをゆっくり眺めるひとときは格別です。Georg-Treu-Platz 1, Dresden 参考サイト
見学時間:
終日開放(無料)

アルベルティヌム美術館(Albertinum)
エルベ川沿いのブリュールのテラス東端に位置する美術館です。館内には19世紀以降の絵画や彫刻が展示されており、ドイツ・ロマン派や印象派、さらには現代美術まで幅広く鑑賞できます。特にカスパー・ダーヴィト・フリードリヒの作品をはじめとするドイツ絵画の名品が充実しており、静かで落ち着いた雰囲気の中で芸術鑑賞を楽しめます。Tzschirnerplatz 2, Dresden 公式サイト
営業時間(チケット窓口)/その他情報:
火〜:11:00〜17:00、月休、チケット:大人 14ユーロ

アウグストゥス橋(Augustusbrücke)
旧市街と新市街を結ぶエルベ川に架かる美しい石橋です。12世紀に最初の橋が建設され、現在の姿は1907〜1910年に再建されたものです。橋の上からはフラウエン教会やブリュールのテラスを望むことができ、ドレスデンを代表する絶景スポットのひとつとして人気があります。Augustusbrücke, Dresden

歴史を知ればもっと楽しい!栄光と再生の物語

観光をより楽しむなら、まずはドレスデンの歴史を少しだけ覗いてみましょう。きっと街の見え方が変わるはずです。
ザクセン選帝侯国とアウグスト強王の黄金時代
ドレスデンの歴史は、12世紀にエルベ川沿いの集落として始まります。やがてザクセン選帝侯国の中心都市となり、18世紀には「文化と芸術の都」としてヨーロッパ中にその名を轟かせました。
特にアウグスト強王(August der Starke)の時代、ドレスデンはバロック芸術の黄金時代を迎えます。ツヴィンガー宮殿やフラウエン教会といった壮麗な建築群がこの時代に築かれ、街全体が美術館のような輝きを放つようになりました。
第二次世界大戦の空襲と戦後の奇跡的な復興
しかし、第二次世界大戦末期の1945年、連合軍による空襲によりドレスデンの旧市街は壊滅的な被害を受けます。この空襲による被害は世界的にも大きな衝撃を与えました。
戦後、旧東ドイツ領となったドレスデンは、長い間復興が遅れていましたが、ドイツ統一後に復興計画が加速。失われたフラウエン教会をはじめ、多くの歴史的建築物が市民の手で再建され、かつての栄華を取り戻しています。
現代のドレスデンは、過去の悲劇を乗り越えた希望と再生の象徴となり、芸術と文化を愛する世界中の旅行者を魅了し続けています。
ドレスデン観光で味わうおすすめグルメ&ショップ
ドレスデンの旧市街で楽しむ伝統料理とおすすめレストラン
Kutscherschänke(クッチャーシェンケ)€€
📍 Münzgasse 10, 01067 Dresden
旧市街・フラウエン教会のすぐ近くにある、ザクセン地方の伝統料理レストラン。ローストポークやソーセージ、ビーフステーキなど、郷土の味をしっかり楽しめます。木の梁が見える素朴な内装と、アットホームな雰囲気が魅力。
テラス席からは旧市街の街並みを眺めながら食事ができ、昼も夜もにぎわっています。メイン料理はおおむね15〜25 €前後。観光の合間に、地元料理を気軽に味わいたい方におすすめです。レストランのHP
Sophienkeller im Taschenbergpalais(ゾフィエンケラー・イム・タッシェンベルクパレ)€€€
📍 Taschenberg 3, 01067 Dresden
ツヴィンガー宮殿とゼンパーオーパーの間に位置する、高級ホテル「タッシェンベルクパレ」地下の名店。中世の酒場を思わせる石造りのホールにはキャンドルの灯が揺れ、非日常的な雰囲気を演出しています。
メニューにはザクセン風ポテトスープやサワーブラーテン(酸味のあるロースト)、ドレスデン名物ケーキ「アイアーシュッケ」など、地元料理が勢揃い。スタッフが伝統衣装でサービスする演出もあり、まるで18世紀にタイムスリップしたかのような体験ができます。メイン料理は25〜40 €前後で、記念日や特別な夜のディナーにもぴったりです。レストランのHP
Italienisches Dörfchen(イタリエニッシェス・デルフヒェン)€€
📍 Theaterplatz 3, 01067 Dresden
エルベ川沿い、ホーフ教会とゼンパーオーパーの間に建つ歴史あるレストラン。19世紀に建てられた建物を改装した店内は明るく開放的で、ドイツ料理とイタリア料理の両方を楽しめます。本格パスタやピザのほか、シュニッツェルやザクセン風前菜なども人気。
夏季はテラス席が特におすすめで、夕暮れ時には川沿いの絶景とともにワインを味わうことができます。メイン料理は18〜28 €前後で、地元の人にも観光客にも長く愛されるドレスデンの定番スポットです。レストランのHP
ドレスデンのおすすめショップ|名物スイーツと老舗の味
Pfunds Molkerei(プフント牛乳屋)

📍 Bautzner Str. 79, 01099 Dresden
「世界で最も美しいミルクショップ」と称される、1892年創業の老舗乳製品店。壁一面に描かれた手描きタイルが見事で、観光名所としても人気です。チーズやヨーグルトなど、可愛いパッケージのお土産も豊富に揃っています。お店のHP
Camondas Schokoladenkontor(カモンダス・ショコラーデンコントール)
📍 Schlossstraße 22, 01067 Dresden
ドレスデン発の高級チョコレート専門店で、旧市街の中心にあります。カフェを併設しており、ホットチョコレートやケーキも楽しめます。上品なパッケージと豊富な品揃えで、ギフトにも最適です。お店のHP
ドレスデン名物!シュトレン発祥の地でおすすめのお土産
クリスマスの伝統菓子「シュトレン」
クリスマス菓子「ドレスナー・シュトレン(Dresdner Christstollen)」はバターやドライフルーツをたっぷり練りこんだずっしり甘い焼き菓子で、ドレスデンが本場として知られています。15世紀にドレスデンの宮廷で生まれた伝統の味で、「ドレスナー・シュトレン®」の名称はドレスデンおよび周辺地域で伝統製法を守る職人だけが使用を許されています。可愛いパッケージも多く、日持ちするのでお土産にもぴったりです。

🏰ドイツ各地の観光スポットや街歩きコースは、他の記事でも紹介しています。人気都市から歴史ある町まで、現地在住の筆者がまとめた旅行ガイドを掲載しています。ぜひ[ドイツ観光案内カテゴリー]もあわせてご覧ください。
おわりに
歴史と芸術が織りなすドレスデンの街並みは、まるでひとつの大きな美術館のよう。バロック時代の栄華、戦争による破壊、そして市民の力で蘇った奇跡の物語が、今も街のいたるところに息づいています。
エルベ川に寄り添うように広がる美しい風景を眺めながら、ドレスデンの過去と現在に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

ドレスデンは、何度訪れても新しい発見がある奥深い街です。
あなたもきっと、自分だけの「お気に入りスポット」が見つかりますよ!
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出典:** アイキャッチ画像 AnjaによるPixabayからの画像
*1 Von Hullbr3ach – CC BY-SA 2.5(Wikimedia Commons)*2 SimonによるPixabayからの画像
*3 Th GによるPixabayからの画像 *4 CEphoto, Uwe Aranas – CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons
*5 Paul SteuberによるPixabayからの画像 *6 Blobelt – CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons
*7 CEphoto, Uwe Aranas / CC BY-SA 3.0 Wikimedia Commons *8 Hans HansenによるPixabayからの画像
*9 Thaler Tamas / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)



