フランクフルトから電車でわずか20分。マイン川のほとりに広がるハーナウ(Hanau)は、日本でも大人気の「メルヘン街道」の出発点です。
この記事では、フランクフルトからの日帰り観光にぴったりなハーナウのおすすめスポットとモデルコースをご紹介します。

Hanau の発音は「ハナオ」に近いですが、この記事では日本で定着している「ハーナウ」で統一します。また、「メルヒェン(Märchen)」もここでは「メルヘン」と表記します。
ハーナウ(Hanau)ってどんな街?
ハーナウは、ドイツ中西部ヘッセン州に位置する人口約10万人の都市です。
この街の名を世界に広めたのは、ヤーコプ・グリム(1785年生まれ)とヴィルヘルム・グリム(1786年生まれ)の兄弟です。兄弟はここハーナウで生まれ、ドイツ各地で集めた民話をまとめた『グリム童話』は、世界中の子どもたちに読み継がれています。
そのため、ハーナウはドイツ「メルヘン街道(Deutsche Märchenstraße)」の出発点として位置づけられており、グリム兄弟ゆかりのスポットを巡るテーマ旅行の起点として親しまれています。またこの街には、17世紀にフランスのプロテスタント(ユグノー)などの宗教難民が移り住んだ歴史もあります。
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ハーナウへのアクセス
フランクフルト中央駅からハーナウ各地へ
フランクフルト中央駅からS-Bahn(S8・S9)またはRE(地域快速)でハーナウ中央駅まで約20分。乗り換えなし、本数も多く気軽に行き来できます。ハーナウ中央駅から主な観光スポットへのアクセスは以下の通りです。
- マルクト広場へ:路線バス1番、2番または5番「Hanau Marktplatz」下車
- フィリップスルーエ城へ:路線バス5番「Schloss Philippsruhe」下車
- ヴィルヘルムスバートへ:RB54か58「Hanau-Wilhelmsbad」下車
ドイチュランドチケット利用可。通常の片道運賃はフランクフルト市内から9,20ユーロ(2026年3月現在)。
Deutschlandticketは旅行者も使える?購入方法・注意点まとめ
ハーナウ中央駅に到着したら



- ① 駅に着いたら階段を降り、「Ausgang Stadtmitte (街中方面出口)」へ向かいます。
- ② こちらがハーナウ中央駅の外観です。
- ③ 中央駅正面にバスターミナルがあります。電光掲示板に行き先と乗り場案内が表示されており、左の看板に「A」と見えるのが乗り場名です。掲示板の案内に合わせて正しい乗り場の看板を探してください。
おすすめモデルコース
所要時間:約5〜6時間
1. ハーナウ中央駅
2. マルクト広場・グリム兄弟の像
3. ゴルトシュミーデハウス(外観見学)
4. メルヘンの小道(街中11か所の童話彫刻めぐり)
5. ワロン・オランダ教会(外観見学)
6. フィリップスルーエ城・公園散策+博物館見学
時間に余裕があれば
ヴィルヘルムスバート州立公園(約1〜1.5時間)
ハーナウ見どころ紹介
グリム兄弟の像(Brüder-Grimm-Denkmal)
マルクト広場に立つ、1896年に除幕・公開された銅像です。座ったヴィルヘルムが本を広げ、ヤーコプが隣に立つ構図で、ハーナウから始まるドイツ・メルヘン街道の起点とされています。水曜と土曜には広場で週市が立ち、地元の日常的な雰囲気が垣間見えます。

📍 Marktplatz, 63450 Hanau / 入場料:無料(屋外スポット)
ゴルトシュミーデハウス(Deutsches Goldschmiedehaus)
アルトシュテッター・マルクトに建つ赤白の木組み建築で、1537/38年に旧市街の旧市庁舎(Altstädter Rathaus)として建てられました。現在は金銀細工や宝飾の伝統を紹介する博物館として公開されています。1945年の戦災で大きな被害を受けましたが、1955年から1958年にかけて再建されました。ファサードに施された精緻な木組みの装飾は、外から眺めるだけでも十分に見ごたえがあります。

📍 Altstädter Markt 6, 63450 Hanau(マルクト広場から北に徒歩6分)
開館時間:火〜日 11:00〜17:00(月曜休)
※最新情報は公式サイト(独)でご確認ください。
メルヘンの小道(Märchenpfad)
街なかに、グリム童話をテーマにした彫刻が点在する「Hanauer Märchenpfad(ハーナウアー・メルヒェンプファド)」というルートがあります。このメルヘンの小道は2006年に整備された散策コースで、グリム兄弟の像があるマルクト広場を起点に、全長約2キロメートルのコースに沿って、「長靴をはいた猫」「赤ずきん」「白雪姫」など11体の青銅彫刻が設置されています。マップはオフィシャルサイトで入手できます(PDF)。
📍 起点:Marktplatz(マルクト広場) 入場料:無料(屋外スポット)

ワロン・オランダ教会(Wallonisch-Niederländische Kirche)
17世紀初頭に宗教迫害を逃れてハーナウに移り住んだワロン人(フランス語系)とオランダ人のために建てられた教会で、ハーナウ新市街の歴史を今に伝える建物です。この教会は、1つの建物の中に2つの礼拝堂を持つ「双子教会(Doppelkirche)」として知られています。
第二次世界大戦で大きな被害を受けましたが、現在も印象的な外観が残っており、ハーナウの歴史を感じられるスポットのひとつです。

📍 Franz. Allee 12, 63450 Hanau(マルクト広場から南に徒歩3分)
外観見学自由(教会内部はイベント時のみ公開の場合あり)
フィリップスルーエ城(Schloss Philippsruhe)
マイン川沿いに建つバロック様式の城で、18世紀初頭の建造。ハーナウ=ミュンツェンベルク伯フィリップ・ラインハルトの離宮として建てられた城です。現在は市立博物館として公開されており、城内にはハーナウの歴史展示とグリム童話をテーマにした体験型施設(グリムスメルヘンライヒ)が入っています。

城の裏手には無料で入れる公園が広がっており、川沿いの散歩が気持ちよい場所です。
📍 Philippsruher Allee 45, 63454 Hanau
開館時間:火〜金 10:00〜17:00 土日 11:00〜18:00(月曜休)
入場料:大人 7ユーロ~(2026年3月現在)
※最新情報は公式サイト(独)でご確認ください。
アクセス:中央駅か Hanau Marktplatz からバス5番「Schloss Philippsruhe」下車
ヴィルヘルムスバート州立公園(Staatspark Hanau-Wilhelmsbad)
18世紀に造られたイギリス式庭園で、かつては温泉保養地として使われていた場所です。広い芝生と並木道が続き、地元の人たちの散歩コースになっています。
園内には世界最古級として知られる1780年製の木製回転木馬(修復済み)や庭園装飾として造られた城の廃墟、ヘッセンの人形・玩具博物館(Hessisches Puppen- und Spielzeugmuseum)があります。見どころが点在しているので、のんびり歩くだけでも1時間ほど過ごせます。公園自体は無料で入れます。


📍公園 Parkpromenade 7, 63454 Hanau 終日開放・無料 公式サイト(英)
📍人形博物館 Parkpromenade 4, 63454 Hanau 公式サイト(独)
火~木 13:00〜17:00、金~日祝 10:00〜17:00/入場料大人 4.50ユーロ(2026年3月現在)
アクセス:ハーナウ中央駅からRB54、RB58で「Hanau-Wilhelmsbad」下車
ハーナウから足を伸ばして
近郊の町 ゲルンハウゼン(Gelnhausen)
Hanau Hbf(ハーナウ中央駅)からGelnhausen Bf(ゲルンハウゼン駅)まで地域快速列車 RE50かRE51で約20分。木組みの街並みが美しい小さな町で、中世の雰囲気を味わえます。

IKEA ハーナウ
日本でも人気のIKEAですが、ドイツでの歴史は古く、ハーナウ店は1997年に開店しました。10年後に開店したフランクフルト店に比べるとこじんまりとしていますが、日本のIKEAとの違いを探してみるのも楽しいかも知れません。
🚌Hanau Marktplatz からバス12番でHanau Ikea まで約20分。
📍Oderstraße 21, Hanau
🏰ドイツ各地の観光スポットや街歩きコースは、他の記事でも紹介しています。人気都市から歴史ある町まで、現地在住の筆者がまとめた旅行ガイドを掲載しています。ぜひ[ドイツ観光案内カテゴリー]もあわせてご覧ください。
おわりに
ハーナウは、グリム童話というわかりやすい魅力の裏に、バロックの城、歴史的な庭園、金細工の伝統といった豊かな顔を持つ街です。フランクフルトからのアクセスがよく、日帰りで楽しむのにぴったりです。

マルクト広場でグリム兄弟の像を見上げ、フィリップスルーエ城の公園をゆっくり歩き、ヴィルヘルムスバートをのんびり散策。ぜひそんな1日を過ごしてみてくださいね。
出典:
*1 Von Jörg Braukmann – Eigenes Werk, CC BY-SA 4.0, Link
*2 Von Simsalabimbam – Eigenes Werk, CC BY-SA 4.0, Link
*3 Von Dennis David Auger – Eigenes Werk, CC BY-SA 4.0, Link
*4 By Tilman AB – Own work, Public Domain, Link






