日本からドイツを訪れるツアーにも必ずと言っていいほど組み込まれているハイデルベルク。中世の風情を色濃く残す旧市街、丘の上にそびえるハイデルベルク城、そして大学文化が織りなす自由で知的な雰囲気が、多くの旅行者を惹きつけています。
この記事では、ハイデルベルクの歴史や見どころ、グルメ情報に加え、旅をより楽しむためのヒントを紹介します。

ハイデルベルクは私の住むフランクフルトに近いので、もう5回くらい行ったことがあるんですよ!ドイツ観光のマストです!
ハイデルベルクってどんな街?|歴史と学生文化が息づく場所
ハイデルベルクはドイツ南西部、バーデン=ヴュルテンベルク州にある学術都市です。市域を流れるネッカー川沿いに旧市街が広がり、その背後の丘にハイデルベルク城がそびえます。
市の中心には1386年創設のハイデルベルク大学があり、今日のドイツで最も古い大学として知られます。学生も多く、街には国際色を帯びた活気が根付いています。
第二次世界大戦で旧市街は大規模破壊を免れ、バロック期の町並みや赤い屋根が比較的よく残りました。丘上の城跡は19世紀以降「ロマン主義の象徴」として旅人を惹きつけています。
【目的別】ハイデルベルクのおすすめ観光モデルコース
主要スポットを巡る「1日満喫ルート」(城・橋・旧市街)
所要時間:約6〜8時間
午前|丘の上の古城エリア
ハイデルベルク城(Schloss Heidelberg)見学
・ケーブルカーまたは徒歩で登城。
・世界最大級のワイン樽、薬局博物館。
ホルトゥス・パルマルム庭園を散策
・ルネサンス様式の整形式庭園で記念撮影。
・展望台から旧市街とネッカー川の絶景を満喫。
昼食|旧市街のレストランへ
- 旧市街中心部に下りて、ビアホールでシュニッツェルランチ。
午後|歴史と学生文化を歩く
聖霊教会(Heiliggeistkirche)
・塔の上から市街を一望。
学生牢(Studentenkarzer)と大学博物館
・学生文化のユーモアと歴史を感じるスポット。
カール・テオドール橋(Alte Brücke)
・サル像(ブリュッケンアッフェ)で記念撮影。
・夕暮れ時は橋の上から城のライトアップを望むのがおすすめ。
夕方〜夜
- ネッカー川沿いのカフェで休憩。
- 時間があればショッピング通り「Hauptstraße(ハウプト通り)」も散策。
サクッと楽しむ「半日エッセンスルート」
所要時間:約3〜4時間
ハイデルベルク城(外観+展望)
・ケーブルカーで上がり、庭園と展望台のみ短時間で見学(約1時間)。
旧市街散策(Heiliggeistkirche〜Alte Brücke)
・教会の外観を見て、橋まで徒歩で移動(約1時間)。
・サル像と橋上から城を撮影。
学生牢を見学(約30分)
カフェで休憩(約30分)
・大学近くの学生カフェで軽食やケーキを楽しむ。
※時間があれば、帰り際にハウプト通りでお土産ショップに立ち寄るのもおすすめ。
ハイデルベルク観光名所ガイド|古城・旧市街・学生の街をめぐる旅
ハイデルベルク城|ロマンティックな廃墟の魅力
ハイデルベルク城は、13世紀に建てられた城塞を起源とし、16〜17世紀にかけてプファルツ選帝侯の居城として発展しました。戦争や落雷によって破壊された後、完全には再建されず、その姿が「ロマンティックな廃墟」として知られるようになります。
赤砂岩で造られた壮麗な外壁や中庭の遺構は、ルネサンス期の宮廷建築の面影を今に伝えており、19世紀のドイツ・ロマン主義の時代に多くの詩人や画家を魅了しました。
現在ではハイデルベルクを代表する観光地として、旧市街とネッカー川を一望する絶景スポットにもなっています。

開館時間:9:00-18:00(毎日)
入場料:大人9ユーロ(ケーブルカー、城の中庭、大樽、薬事博物館含む)
公式サイト(英)
Address: Schlosshof 1, 69117 Heidelberg, Germany
世界最大級のワイン樽(Großes Fass)
ハイデルベルク城の巨大ワイン樽は、現在のものが1751年に造られた四代目で、建造当時の容量は約22万1726リットル(木の収縮後は約21万9千リットル)とされています。樽が置かれる建物は「ファスバウ」と呼ばれ、樽の上には階段で上がれる平台があり、かつてダンスに使われたと伝わります。もともとは周辺の葡萄栽培地から税(十分の一税などの現物納付)として集められたワインを貯蔵する目的で設けられ、城の財源や祝宴文化を物語る存在です。

薬事博物館(Apothekenmuseum)
ハイデルベルク城の一角にあるドイツ薬事博物館は、古代から近代に至る薬学と医療の歩みを紹介する専門館です。戦後に開館し、ドイツ各地にあった薬学コレクションを集めて展示しています。
館内には、18世紀の薬局室を忠実に再現した空間のほか、薬瓶、蒸留器、秤などの調剤器具や、当時の薬方書、植物由来の生薬資料が並びます。ヨーロッパで発展した薬学の歴史を通して、医療が科学へと進化していく過程を感じられる博物館です。公式サイト(日本語)

庭園「ホルトゥス・パルマルム(Hortus Palatinus)」
ハイデルベルク城の南側に広がる庭園「ホルトゥス・パルマルム(Hortus Palatinus)」は、17世紀初頭に選帝侯フリードリヒ5世が建設を命じたルネサンス式庭園です。オランダの建築家サルモン・デ・コーズによって設計され、“8番目の世界の驚異”と称えられるほど壮麗な計画でした。
噴水や幾何学的な花壇、彫像を配置した整形式の庭園は、当時のヨーロッパ庭園文化の粋を集めたものでしたが、戦乱により完成を見ぬまま終わりました。現在はその跡地の一部が展望テラスとして整備され、旧市街とネッカー川を見渡す人気のビュースポットとなっています。

聖霊教会(Heiliggeistkirche)
旧市街の中心・マルクト広場に面して建つ聖霊教会は、14世紀末から16世紀初頭にかけて建設されたゴシック様式の教会です。かつてはプファルツ選帝侯の墓所であり、また上層回廊には「プファルツ図書館(Bibliotheca Palatina)」と呼ばれる蔵書が収められていました。
内部は高いアーチ天井と広々とした身廊が印象的で、現在も市民と観光客が行き交う旧市街の象徴的存在です。塔に登れば、赤い屋根が連なる旧市街とネッカー川を一望できます。

教会:月~土 11:00 – 17:00 日祝 12:30 – 17:00
塔:水~金 11:00 – 14:00 土 11:00 – 16:00 日 12:30 – 16:00 (4月~10月)
塔の入場:大人5ユーロ
※ 現在、塔の入場に関しては2025年10月までしか情報が公開されていないので現地で要確認
Address: Hauptstraße 189, 69117 Heidelberg, Germany
公式サイト(独)
学生牢(Studentenkarzer)と大学博物館(Universitätsmuseum)
旧市街の一角にあるハイデルベルク大学の旧校舎には、かつての学生牢(Studentenkarzer)が残されています。1778年から1914年までの間、軽い違反をした学生たちが最長2週間ほどここに拘留され、壁や天井には彼らが残した落書きや肖像画が今も生々しく残っています。これらの落書きは、当時の学生文化や自由な気風を伝える貴重な記録です。
すぐ隣の旧大学建物には大学博物館(Universitätsmuseum)があり、1386年に創設されたドイツ最古の大学としての歩みや、学問・研究の発展を紹介しています。学生牢・大学博物館・旧大講堂(Aula)は共通チケットで見学でき、ハイデルベルクが「学問の街」と呼ばれる所以を実感できるスポットです。

開館時間:火~土 10:30 – 16:00(入場は15:15 まで)
入場料:大人6ユーロ(共通チケット)
学生牢:公式サイト(英)
大学博物館:公式サイト(英)
Address: Augustinergasse 2, 69117 Heidelberg
カール・テオドール橋(Karl-Theodor-Brücke)
アルテ・ブリュッケ(Alte Brücke=古い橋)の愛称で親しまれているカール・テオドール橋は、ハイデルベルク旧市街と対岸のノイエンハイム地区を結ぶ石橋で、1788年に選帝侯カール・テオドールの命によって完成しました。これ以前の橋は木製で、たびたび洪水で流されており、現在の橋は9代目にあたります。赤砂岩で造られた優美なアーチが特徴で、ネッカー川越しに見る旧市街と城の眺めは、ハイデルベルクを象徴する風景として知られています。

橋の南側(旧市街側)のたもとには「ブリュッケンアッフェ(Brückenaffe/橋のサル)」と呼ばれる銅像が立っています。この像は1979年に地元彫刻家ギェルト・エンツェル(Gernot Rumpf)によって制作されたもので、鏡を手にしたサルが自分の顔を覗き込む姿をしています。モチーフは中世から伝わる寓意「他人を笑う前に自分を省みよ」を表し、像の鏡に触れると幸運が訪れる、あるいは再びハイデルベルクに戻って来られるという言い伝えがあります。

Address: Karl-Theodor-Brücke, 69117 Heidelberg
公式サイト(英)
ハイデルベルクのおすすめグルメとカフェ文化
Gasthaus Zum Roten Ochsen(ガストハウス・ツム・ローテン・オクセン)
旧市街のメインストリート沿いに建つ、1703年創業の老舗ガストハウス。ハイデルベルクでも最も古いレストランの一つとして知られ、木の梁や壁の写真が歴史を感じさせます。
メニューはシュニッツェルやソーセージなどの伝統的なドイツ料理を中心に、地元のワインやビールも豊富。学生や地元客にも長く愛されており、落ち着いた雰囲気の中で“本場の味”を楽しめます。ランチにもディナーにもおすすめです。

Address:Hauptstraße 217, 69117 Heidelberg お店のサイト(英)
営業時間:金土:17時30分から営業(事前予約推奨)
予算の目安:€€
Urban Kitchen Heidelberg(アーバン・キッチン・ハイデルベルク)
歴史的建物「Altes Hallenbad(旧浴場)」をリノベーションしたモダンレストラン。多国籍な料理をカジュアルに楽しめる空間として地元でも人気があり、インダストリアル調の内装と広々としたテラス席が印象的です。
ハンバーガーやボウル料理、パスタなどの定番メニューから、季節のスペシャルまで幅広く揃い、朝食からディナー、カクテルタイムまで一日を通して利用できます。観光の合間に立ち寄るのにも、夜の食事にもぴったりの一軒です。
Address:Poststraße 36/5, 69115 Heidelberg お店のサイト(独)
営業時間:9:00 – 深夜1時(毎日)
予算の目安:€€
Marstallcafé(マルシュタルカフェ)
旧市街の中心にある学生カフェで、ハイデルベルク大学の学生たちが集う憩いの場。カジュアルな雰囲気の中で、朝食やケーキ、軽食などを手ごろな価格で楽しめます。
店内では音楽イベントや学生企画の上映会なども行われ、知的で自由な大学街らしい空気が漂います。観光の途中に、地元の学生気分で一息つきたいときにおすすめです。
Address:Marstallhof 5, 69117 Heidelberg お店のサイト
営業時間:月~木 12.00 – 22.00 日 12.00 – 22.00 (金土閉店)
予算の目安:€
アクセス方法
フランクフルトからハイデルベルクへ
🚄 電車(ドイツ鉄道)
フランクフルト中央駅から直通列車で約50〜60分。一番早いICEだと約50分で着きます。
- 乗車駅:Frankfurt(Main) Hbf
- 下車駅:Heidelberg Hbf
- 公式サイト:Deutschebahn(英)
🚌 長距離バス(FlixBusなど)
所要時間1.5〜2時間、料金5〜15ユーロ。低コストで移動可能。
- 公式サイト:https://www.flixbus.de
🎫 ドイチュランドチケットを使って
フランクフルト中央駅から鉄道で約1時間半、RB 68 なら乗り換えなしです(ドイチュランドチケットはICやICEは乗れないので注意)。ドイチュランドチケットの詳細はこちら 👉 [Deutschlandticketは旅行者も使える?購入方法・注意点まとめ] をご覧ください。
ハイデルベルク城までのアクセス
🚉 中央駅から
ハイデルベルク中央駅前からバス(20番または33番)に乗り、「Rathaus/Bergbahn」停留所で下車。そこから登山鉄道(Heidelberger Bergbahn)に乗り換えると、城のある「Schloss」駅まで数分で到着します。
🚠 ケーブルカー(登山鉄道)
登山鉄道の起点は旧市街の「Kornmarkt(コルンマルクト)」駅で、途中にハイデルベルク城を経由し、さらに上の展望地「Molkenkur(モルケンクール)」まで運行しています。
ハイデルベルク城の入場券には、ケーブルカーの片道または往復乗車券が含まれているため、チケットを別に購入する必要はありません。城と旧市街を効率よくまわりたい方に便利なルートです。
🏰ドイツ各地の観光スポットや街歩きコースは、他の記事でも紹介しています。人気都市から歴史ある町まで、現地在住の筆者がまとめた旅行ガイドを掲載しています。ぜひ[ドイツ観光案内カテゴリー]もあわせてご覧ください。
おわりに
歴史ある街並みと学問の香りが息づくハイデルベルクは、ドイツらしい魅力がぎゅっと詰まった街です。古城や石橋などの名所をめぐりながら、街歩きやグルメもゆっくり楽しめます。観光の定番ながら、落ち着いた雰囲気で過ごせる点も人気の理由です。

記事を書いている内に、またハイデルベルクに行きたくなってしまいました。ドイチュランドチケットを使って近々行ってこようと思います♡
出典:
*1 WikimediaImagesによるPixabayからの画像 *2 HermによるPixabayからの画像
*3 Von Ramessos (Wikimedia Commons) *4 Von DAM Heidelberg TS(Wikimedia Commons)
*5 Von Jacques Fouquières (Wikimedia Commons) *6 Von Georg Buzin (Wikimedia Commons)
*7 Von Laurascudder (Wikimedia Commons) *8 Von BishkekRocks (Wikimedia Commons)
*9 Von Stateofthings (Wikimedia Commons) *10 Peter Mooney (Wikimedia Commons) CC BY-SA 2.0



