
ドイツ観光のイメージとして真っ先に思い浮かぶのは、やはりノイシュヴァンシュタイン城の美しい姿ではないでしょうか。私も子供の頃、親戚の家の壁に飾られていた真っ白なお城のジグソーパズルを眺めながら、「どこの国なんだろう?」とおとぎの世界に心を奪われていたものです。
ノイシュヴァンシュタイン城は、悲劇の王ルードヴィヒ2世の物語と共に、誕生から150年以上たった今も世界中の人々を魅了し続けています。

今回は、そんな夢のお城への行き方をご紹介したいと思います。
必読!ノイシュヴァンシュタイン城の観光で失敗しないための重要情報
チケットの確実な予約方法と当日券の注意点
お城への入場には、まず 事前オンライン予約 が強く推奨されています。公式オンラインチケットショップでは、2.50 ユーロの予約手数料が必要ですが、他日程への変更はできず、指定した時間に訪問する必要があります。
現地の「チケットセンター(Ticket‑Center Hohenschwangau/ホーエンシュヴァンガウ村)では当日券も販売されていますが、その日の分のみで、数が限られており、特にハイシーズン(夏期/週末)は午前中に売り切れることが多いです。

当日券を狙う場合は、訪問日の朝一番にチェックインするか、列車・バスなどの到着時間を早めに設定するのが賢明です。さらに、チケットに指定された入場時間を過ぎると入場できなくなるので、時間厳守が大前提です。
チケットセンター、お城の開館時間、入場料の最新情報はこちらの公式サイト(英)でご確認ください。
お城への行き方(徒歩・シャトルバス・馬車)
麓からノイシュヴァンシュタイン城へ向かうルートは、徒歩・シャトルバス・馬車の3つがあります。徒歩の場合は、麓のチケットセンター周辺からお城の入口まで およそ30〜40分の坂道を歩きます。舗装された道なので、景色を楽しみながら向かえる定番ルートです。
シャトルバスは麓の駐車場(P4)にある専用乗り場から運行しており、マリエン橋付近までアクセスできます。季節・天候によって運休する場合があるため、事前確認が必要です。
馬車は麓の乗り場から丘の途中まで運行しており、降車後は数分歩けば城の入口に到着します。体力や天候に合わせて移動手段を選べるのが嬉しいポイントです。

最新の時刻表や運賃はこちらの公式サイト(英)で確認できます。

私は、せっかくなので張り込んで馬車に乗りました。と言っても片道7~8ユーロ程度なんですよ。帰りは下りなので徒歩でも大丈夫!
ガイドツアーの流れ、所要時間、日本語ガイド、禁止事項

ノイシュヴァンシュタイン城の内部見学は、必ずガイドツアー(案内付き)でのみ入場が可能です。ガイドツアーの所要時間はおよそ30分です。ツアー言語はドイツ語・英語が基本ですが、日本語を含む多言語の音声ガイド機器(オーディオガイド)も配布されています。
🛑実際の流れは以下のようになります。
- チケットに指定された時間帯に、城の入口または指定の集合場所に集合。遅刻は厳禁です。
- 案内人のもと、王の居室やシンガーズ・ホール、玉座ホールなどを順に巡ります。
- ツアー終了後、城内の下層階(カフェ・ショップ・展示室)を自由に訪れることができます。
🛑また、禁止事項・注意点として、以下が挙げられています
- 城内(ガイドツアー中)は写真・ビデオ撮影は禁止です。
- 大きなリュック、ベビーカー、子ども用キャリアなどの荷物は持ち込めず、ロッカー等に預ける必要があります。
- 指定時刻の集合を守らないと、ツアーに参加できません。余裕を持って移動時間を考える必要があります。

ツアーを終えて城を出ると、色々なグッズや書籍、ポストカードを扱うお土産物ショップがあります。お城見学の記念に、“バイエルン王家ゆかりのデザイン”の雑貨やテキスタイル、ドイツならではの伝統的なお土産が手に入るため、時間に余裕があれば立ち寄る価値があります。
ミュンヘンからノイシュヴァンシュタイン城へのアクセス
ノイシュヴァンシュタイン城はホーエンシュヴァンガウ(Hohenschwangau)という町にあります。ミュンヘンからの行き方をご紹介します。
まずは鉄道(Deutsche Bahn)でフュッセン駅へ
DBチケット
ミュンヘンからフュッセン(Füssen)へは、ドイツ鉄道(DB)の地域列車を利用するのが最も一般的な移動方法です。ミュンヘン中央駅からフュッセンまでは 直通のRB(Regionalbahn)で約2時間。本数も比較的多く、旅行者にとって定番のルートです。

ドイチュランドチケットを使う場合
ドイチュランドチケット は、ドイツ国内の電車やバスが1か月乗り放題の定期です(1か月58ユーロ/2026年からは63ユーロ) … ミュンヘンからフュッセン駅へも使えます(約2時間)。詳しくはこちら→ Deutschlandticketは旅行者も使える?購入方法・注意点まとめ
フュッセン駅からホーエンシュヴァンガウへ
フュッセン駅から ホーエンシュヴァンガウへは、駅前から出ている路線バス(73, 78, 931)に乗ります。所要時間はおよそ 10-15分ほどで、観光客が多く利用する定番ルートです。もしくはタクシーでも5-10分くらいです。
高速バス(FlixBus)を利用して直接ホーエンシュヴァンガウへ
ミュンヘンからは、鉄道だけでなく FlixBus(フリックスバス)を利用して、ノイシュヴァンシュタイン城の麓にある ホーエンシュヴァンガウ まで2時間ほどで到着します。電車の乗り換えが苦手な方や、できるだけシンプルな移動手段を選びたい方に便利な方法ですが、本数が少ないので事前に確認が必要です。
📍Munich central bus station Arnulfstraße 21, 80335 Munich から出発
ノイシュヴァンシュタイン城周辺の見どころ
絶景撮影ポイント・マリエン橋(Marienbrücke)
ノイシュヴァンシュタイン城でもっとも有名な撮影スポットといえば、マリエン橋(Marienbrücke) です。渓谷にかかる橋の上からは、森の向こうに浮かぶお城の全景を眺めることができ、ポストカードのような写真が撮れることで知られています。

ただしマリエン橋は、安全確保のために 悪天候や積雪・凍結時には閉鎖されることがあります。 特に冬季はクローズになる日も多いため、当日の状況によっては橋に入れない場合もあります。
ホーエンシュヴァンガウ城(Schloss Hohenschwangau)
ノイシュヴァンシュタイン城の麓にあるホーエンシュヴァンガウ城は、バイエルン王家ヴィッテルスバッハ家の夏の居城として使われていた場所です。ルートヴィヒ2世とその弟オットーは幼少期の大半をこの城で過ごし、アルプ湖を望む穏やかな環境の中で育てられました。

内部は当時の生活を伝える調度品が残されており、色彩豊かな壁画や歴史的な装飾が特徴です。見学はガイドツアー制のため、落ち着いた雰囲気の中で王家の暮らしを知ることができます。
📍Alpseestraße 30, 87645 Schwangau, Germany
開館時間、入場料の最新情報はこちらの公式サイト(英)で確認できます。
ホーエンシュヴァンガウのグルメ情報
お勧めレストランとカフェ
Alpenstuben(アルペンシュトゥーベン)
観光客がもっとも利用しやすいレストランの1つで、ノイシュヴァンシュタイン城観光の中心に位置しています。バイエルン料理のほか、軽食やスイーツも揃っており、店内・テラス席ともに落ち着いた雰囲気です。お店のサイト(英)
📍Alpseestraße 8, 87645 Hohenschwangau, Germany
営業時間: 11:00〜21:00
予算の目安: €€
コメント: メニューの幅が広く、観光前後の食事に便利です。旅行者レビューでも安定した評価を得ています。
Restaurant Café Kainz(カインツ)
チケットセンターのすぐそばに位置し、食事・カフェ利用のどちらでも入りやすいレストラン。テラス席からは村の風景が広がり、さっと休憩したい時にも使いやすい立地です。
お店のサイト(英)

📍 Alpseestrasse 5, 87645 Hohenschwangau, Germany
営業時間: 10:00〜17:00
予算の目安: €€
コメント: 軽食やケーキ類もあり、観光途中の休憩によく利用されています。
Schlossrestaurant Neuschwanstein(シュロスレストラン・ノイシュヴァンシュタイン)
ノイシュヴァンシュタイン城のすぐ近くに位置するレストランで、観光客に人気の高い食事スポットです。城へのアクセスが良く、観光前後のランチに利用されることが多いお店です。店内ではドイツ南部らしい料理が提供され、広めのテラス席からは周辺の山々の景色を楽しめます。
お店のサイト(独)
📍 Address: Neuschwansteinstraße 17, 87645 Hohenschwangau, Germany
⏰ 営業時間: 夏季 09:00〜18:00 冬季 10:00〜17:00
💶 予算の目安: €€〜€€€
💬 コメント: ノイシュヴァンシュタイン城の観光ルート上にあり、立地が圧倒的に便利。混雑しやすいため、ランチタイムを少し外すと入りやすいです。
「夢のお城」ノイシュヴァンシュタイン城の歴史背景
ルートヴィヒ2世と建設経緯
ノイシュヴァンシュタイン城は、バイエルン王ルートヴィヒ2世が「中世の騎士物語やロマン主義の世界を形にしたい」と願い、1869年に建設を始めたお城です。彼が深く愛したワーグナー作品の世界観が反映され、内部には豪華な装飾や最新技術が取り入れられていました。
しかしルートヴィヒ2世の死により工事は途中で中断され、結局は王の構想の一部を実現したのみで城は未完成のまま残されました。それでも、この「王の夢」が詰まった建築は、今やドイツを象徴する風景として世界中の人々を魅了しています。
現在の評価
ノイシュヴァンシュタイン城は世界文化遺産への登録候補となっており、将来の登録が注目されています。年間150万~170万人以上の観光客が訪れるドイツ有数の観光地の一つであり、城の保存・整備、訪問環境の改善も国・州を挙げて進められています。
中世の街並みが広がるフュッセンの見どころ
ノイシュヴァンシュタイン城の玄関口となる街・フュッセン。アルプスの麓に広がるこの小さな街は、カラフルな建物が並ぶ旧市街が魅力で、のんびり散策を楽しむにはぴったりの場所です。ノイシュヴァンシュタイン城の観光だけで通り過ぎてしまうにはあまりにも勿体ないので、日程に余裕のある方はぜひ時間をとってみてください。
旧市街(Altstadt)を歩く
フュッセンの中心となる旧市街は、石畳とパステルカラーの建物が続く美しいエリアです。街の通りにはカフェやブティック、伝統的な看板が掲げられたショップが並び、中世の雰囲気を残す路地散策が楽しめます。

ホーエス城(Hohes Schloss)
旧市街を見下ろす丘の上に建つのが、フュッセンのシンボル「ホーエス・シュロス(高い城)」です。外壁に描かれただまし絵(フレスコ画)が特徴で、内部には州立絵画コレクションが展示されています。

城のテラスや中庭からは旧市街を一望でき、「旧市街+歴史スポットも見たい」という方にもおすすめです。公式サイト(独)
📍Lechhalde 3, 87629 Füssen
チケット:大人6ユーロ/開館時間の最新情報はここで確認できます。
レッヒ滝(Lechfall)
街の中心から徒歩15分ほどの場所にある自然スポット。エメラルドグリーンのレッヒ川が勢いよく流れ落ちる滝で、渓谷と橋がつくり出す景観が美しい場所です。

観光客は比較的少なめで、静かに自然を眺めたい方にぴったり。旧市街をぶらりと歩きながらそのまま足を延ばせる、気軽な散策コースとして人気があります。公式サイト(独)
📍Tiroler Straße 291, 87629 Füssen, Germany
ノイシュヴァンシュタイン城とフュッセン観光モデルコース
日帰りモデルコース(ミュンヘン発着)
⏰ 想定所要時間:丸1日(約12時間)
- 08:00頃 ミュンヘン中央駅を出発
- 10:00 フュッセン到着 → バスでホーエンシュヴァンガウへ
- 10:30 チケットセンター着(チケットは事前予約推奨!!)
- 11:00 シャトルバス or 馬車で山上へ
- 11:30〜12:30 ノイシュヴァンシュタイン城のガイドツアー
- 12:45 見晴らし台から景色を楽しむ(マリエン橋が開いていれば)
- 13:30 麓へ戻り、軽くランチ
- 16:00 フュッセンへ移動、旧市街を散策
- 17:30 フュッセン発 → ミュンヘンへ帰着
- 19:30〜20:00頃 ミュンヘン到着
ポイント
- 城のツアー時間に合わせて動くのがコツ
- フュッセン旧市街散策は1時間あれば十分楽しめる
- “王道の日帰りコース” として無駄がない流れ
宿泊モデルコース(2日間)
⏰ ゆったり楽しむ方向け(1泊2日)
1日目
- 午前 ミュンヘン → フュッセンへ移動
- 昼 旧市街の散策、カフェ休憩
- 午後 ホーエス城見学、レッヒ滝へ足をのばす(時間があれば)
- 夕方 ホテルチェックイン
- 夜 フュッセンでのんびりディナー
2日目
- 朝 ホーエンシュヴァンガウへ移動
- 午前 ノイシュヴァンシュタイン城ツアー
- 昼 麓のレストランでランチ
- 午後 ホーエンシュヴァンガウ城ツアー、街を散策
- 夕方 ミュンヘンへ戻る
ポイント
- 城の混雑を避けられ、写真撮影もゆっくり
- 自然・街歩き・城の三つをバランスよく楽しめる
- 日帰りより疲れが少ない
🏰ドイツ各地の観光スポットや街歩きコースは、他の記事でも紹介しています。人気都市から歴史ある町まで、現地在住の筆者がまとめた旅行ガイドを掲載しています。ぜひ[ドイツ観光案内カテゴリー]もあわせてご覧ください。
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おわりに
ノイシュヴァンシュタイン城とフュッセンの街は、アルプスの絶景と中世の面影が溶け合う、ドイツ南部ならではの特別な場所です。お城の壮麗さはもちろん、麓のホーエンシュヴァンガウ村やフュッセン旧市街の散策まで含めると、日帰りとは思えないほど豊かな旅になります。
せっかく足を運ぶなら、チケット予約やアクセスをしっかり整えておくことで、当日の観光がよりスムーズに、そして充実した時間になります。

この記事が、皆さまの旅の計画に少しでもお役に立てれば嬉しいです。
出典:*1 Hans-Jürgen MünzerによるPixabayからの画像
*2 Ferdinand von Piloty, Public Domain, via Wikimedia Commons
*3 Belle Equipe, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
*4 Carsten Steger, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
*5 Taxiarchos228, FAL, via Wikimedia Commons




