ドイツでは、ある季節になると、一気に存在感を増す食材があります。それが、シュパーゲル(Spargel) です。スーパーの野菜売り場や市場には新鮮なシュパーゲルが登場し、レストランでは季節限定メニューとして提供されます。
日本の「松茸の季節」を想像するとイメージが湧きやすいかも知れません。

この記事では、ドイツで親しまれているシュパーゲルの季節、定番の食べ方、レストランや家庭での楽しみ方を紹介します。
シュパーゲルの季節とドイツでの特別感
ドイツで親しまれる白アスパラ
ドイツ語でアスパラガスは Spargel (シュパーゲル)と言います。緑のアスパラは grüner Spargel、白いアスパラは weißer Spargel です。ドイツで季節の味覚として話題になるシュパーゲルは、多くの場合、この白アスパラを指します。

白アスパラは、土を盛った畝の中で日光に当てずに育てられます。そのため緑色にならず、白くやわらかな見た目になります。緑のアスパラとは風味や食感も少し違い、白アスパラの方が繊細で、下処理にも手間がかかります。
シーズンは6月24日ごろまで
シュパーゲルの出回る時期は、その年の天候や地域によって少し変わりますが、一般的には4月頃から店頭に並び始め、伝統的には 6月24日の Johannistag(ヨハニスターク/聖ヨハネの日) までがシーズンの目安とされています。6月24日で収穫を終えるのは、翌年の収穫に向けて株を休ませるためです。ドイツでは白アスパラが weißes Gold(白い黄金) と呼ばれることもあります。
ドイツでの定番の食べ方
白アスパラが主役の一皿
ドイツで白アスパラを食べるときは、茹でたシュパーゲルをたっぷり盛り、じゃがいもを添える形がよく見られます。日本ではアスパラは肉料理や魚料理の横に少し添えられているイメージがあるかもしれません。しかし、ドイツのシュパーゲル料理では、白アスパラそのものが主役になります。

お皿の中央に白アスパラが並び、そこにソースや付け合わせを合わせて食べるのが、ドイツらしい楽しみ方です。
オランデーズソースや溶かしバターで
シュパーゲル料理でよく見かけるのが、Sauce Hollandaise(オランデーズソース) です。
バターと卵黄を使った濃厚なソースで、白アスパラとの相性がよく、レストランの季節メニューにもよく登場します。

もう少しシンプルに、zerlassene Butter(溶かしバター) と合わせる食べ方もあります。バターだけの方が、白アスパラそのものの味を楽しめるので、こちらを好む人も多いです。

ハム・シュニッツェル・魚料理と合わせることも
シュパーゲルは、Schinken(ハム) と一緒に食べられることもあります。白アスパラ+じゃがいも+ハム+オランデーズソースという組み合わせは、定番の一皿です。
レストランでは、シュニッツェルや魚料理と合わせたメニューも見かけます。肉や魚が主役というより、季節の白アスパラを中心に、付け合わせとして肉や魚を組み合わせるような形です。

レストランで楽しむシュパーゲル
季節になると登場するシュパーゲルメニュー
シュパーゲルの季節になると、ドイツのレストランでは季節限定のシュパーゲルメニューが登場します。店先の黒板やメニューに、
- Spargelkarte
- Spargelgerichte
- Frischer Spargel
- Spargel mit Sauce Hollandaise
といった言葉が出ていたら、シュパーゲル料理を出している合図です。
日本でいうと、「季節限定メニュー」や「旬の食材フェア」に近い感覚かもしれません。ドイツではこの時期になると、あちこちのレストランで「今年もシュパーゲルの季節が来た」という雰囲気になります。
シュパーゲルが食べられるフランクフルトのレストラン紹介
Schwarzer Stern
フランクフルトの人気観光地「レーマー広場」にある、木組みの建物のおしゃれなレストラン。店内はクーラーが効いていて、暑い日でも過ごしやすいです。シュパーゲルメニューは22ユーロ~。

📍Römerberg 6, 60311 Frankfurt am Main
🌐https://schwarzerstern.com/
営業時間:火〜日 12:00〜22:00/月曜定休(メッセ期間を除く)
スーパーや市場で買うシュパーゲルと家庭調理
スーパー・市場・直売所で
シュパーゲルの季節になると、スーパーの野菜売り場には白アスパラが目立つ場所に並びます。束になって売られていることが多く、太さや等級によって値段が変わります。

市場、特に Wochenmarkt(週市) でも、白アスパラはよく見かけます。地域によっては、農家の直売所や道沿いの販売スタンドで売られていることもあります。白アスパラは、基本的には皮付きで売られています。店によっては皮むき済みのものが売られていたり、皮むきサービスがある場合もあります。
白アスパラは下処理が大事
白アスパラは、緑のアスパラよりも下処理が大事です。調理するときは、皮をしっかりむき、根元の硬い部分を切り落とします。ここで手を抜くと、せっかく茹でても筋っぽくなってしまうことがあります。

ドイツ語では、木のように硬く筋っぽい状態を holzig (ホルツィッヒ)と言います。白アスパラを茹でて「さあ食べよう」と思ったら、中が筋っぽくて食べにくかった、ということもよくあります。新鮮なものを選ぶこと、皮をきちんとむくこと、硬い部分をしっかり落とすこと。家庭でシュパーゲルを楽しむなら、これらの点が大切です。
おわりに
もしシュパーゲルの季節にドイツを訪れることがあれば、 Spargel の案内の出ているレストランを訪れてみてください。日本で食べるアスパラとはまた違った、ドイツの季節の味覚を堪能することは、忘れられない旅の思い出となるでしょう。

私は、何時間もかけて調理したシュパーゲルが筋だらけだった失敗に凝りて、今では毎年レストランで食べています!
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