当サイト『まいん・どいちゅらんど』では、1年間有効のMuseumsuferCardと呼ばれるフランクフルトの美術館・博物館39館が対象のパスを購入し、1年間で全館制覇を目指す特別企画を立ち上げました。今回は、フランクフルトが誇る文豪ゲーテが生まれ育った【ゲーテハウス】をご紹介します。

美しい部屋や調度品を通して、18世紀の裕福な市民の暮らしを垣間見ることができます!
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ゲーテハウスとは?

ゲーテハウス(Frankfurter Goethe-Haus)は、フランクフルトの中心部にある、文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの生家です。ゲーテは1749年8月28日にここで生まれ、両親や妹コルネーリアとともに育ちました。大学で学ぶために故郷を離れた時期を挟み、1775年にワイマールへ移るまで暮らした家で、『若きウェルテルの悩み』もここで執筆されました。
現在の建物の姿は、父ヨハン・カスパーが1755〜1756年に行った大規模な改築に由来します。相続した2軒の木組みの家を、市民階級のロココ様式の邸宅へと造り替えました。1863年には文化・学術団体『Freies Deutsches Hochstift』が購入し、一般公開を開始。第二次世界大戦で建物はほぼ全壊しましたが、1951年に当時の姿を忠実に再現して再建されました。
館内には、華やかな客間や絵画コレクション、図書室、台所などが整えられ、18世紀の裕福な家庭の暮らしをたどることができます。家具や調度品、壁紙など、部屋ごとに異なる趣も魅力です。隣にはドイツ・ロマン主義博物館(Deutsches Romantik-Museum)が併設されており、文学や美術の世界を続けて楽しめます。
ゲーテハウスの基本情報
※2026年10月現在の公式情報を元にまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | ゲーテハウス(Frankfurter Goethe-Haus) |
| 住所 | Großer Hirschgraben 21, 60311 Frankfurt am Main |
| 公式サイト | https://frankfurter-goethe-haus.de/ |
| 開館時間 | 月・火・水・金・土・日曜・祝日:10:00~18:00/木曜:10:00~21:00 |
| 休館日 | 定休日なし。聖金曜日、12月24・25・31日、1月1日は休館(その他の特別開館時間は公式サイト参照) |
| チケット | ゲーテハウスとドイツ・ロマン主義博物館の共通券。大人:12€/大学生・職業訓練生:7€/小中高校生:3€/6歳以下:無料/ファミリー:18€(大人最大2名+18歳以下の子供)。特別展を含む共通券は大人15€。チケットは窓口販売のみ |
| Frankfurt Card | 共通券が大人6€(通常12€)。特別展を含む共通券は8€(通常15€) |
| MuseumsuferCard | ゲーテハウス・ドイツ・ロマン主義博物館・特別展の入場無料 |
| ガイドツアー | 毎日14:00・16:00/土・日曜は10:30も開催。約50分、入場料に含まれます。事前予約不要、定員あり |
| アクセス | Sバーン・地下鉄「Hauptwache」駅、地下鉄U4・U5「Dom/Römer」駅、またはトラム11・12・14番「Karmeliterkloster」停留所から徒歩 |
フランクフルトカードは、公共交通機関と美術館などの割引がセットになったお得なカードです。
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館内紹介

ゲーテハウスの印象的な見どころをいくつかご紹介します。
詩人の部屋(Dichterzimmer)

緑の壁が印象的な屋根裏階の一室は、若きゲーテが暮らし、創作に打ち込んだ「詩人の部屋」です。ライプツィヒとシュトラスブルクへの留学期間を除き、26歳でワイマールへ移るまで、ここを生活と執筆の場としていました。
この部屋で生まれた代表作が『若きウェルテルの悩み』。戯曲『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』などの初期作品もこの時期に書かれ、『ファウスト』の初期稿へとつながる創作も始まりました。
机の上に置かれているのは、古代彫刻ラオコーンの頭部の石膏像です。ゲーテはこうした古代彫刻の石膏像を集め、自らも盛んに絵を描いていました。文学だけでなく、美術にも情熱を注いだ青年時代をしのべる部屋です。
ゲーテ誕生の部屋(Sogenanntes Geburtszimmer)

1749年8月28日、正午の鐘が鳴るころ、ゲーテはフランクフルトで生まれました。1755年の家の改築以前、この場所に「誕生の部屋」があったと伝えられています。現在の室内は、19世紀に記念室として整えられたものです。
深い緑の壁には、ユリー・フォン・エグロフシュタインが描いた晩年のゲーテの肖像画が掛かっています。その左にある星と竪琴は、1832年にゲーテの遺体が安置された際に使われた装飾の一部。誕生を記念する部屋に、生涯の終わりを伝える品も展示されています。
ゲーテは自伝『詩と真実』の冒頭で、自身の誕生について語っています。難産で、生まれた直後は命も危ぶまれたといい、この出来事を受けて、祖父テクストールはフランクフルトの助産師に出産介助の教育を受けさせたそうです。
絵画ギャラリー(Gemäldekabinett)

壁いっぱいに絵画が並ぶこの部屋は、父ヨハン・カスパー・ゲーテが美術コレクションを飾っていた「絵画ギャラリー」です。黒い額縁に金の縁取りを施し、左右対称に配置する飾り方については、ゲーテも自伝『詩と真実』に書き残しています。
風景画や静物画、建築を描いた作品など、その多くを手がけたのは、当時フランクフルトや周辺地域で活躍していた画家たちです。父は、過去の巨匠の作品を集めるだけでなく、存命の画家に仕事を依頼することを大切にしていました。
若いゲーテは画家たちと顔なじみで、制作の様子を眺めるのが好きだったそうです。幾重にも並ぶ絵画の美しさとともに、ゲーテが幼いころから美術に親しんでいた環境を感じられる部屋です。
「ペキン」の間

赤いカーテンと椅子、きらめくシャンデリアが華やかな「ペキン」の間。中国風の模様を描いた壁紙にちなんで名付けられた部屋で、ドイツ語では「赤の間(Rote Stube)」とも呼ばれています。
隣接する小部屋とともに、家族のお祝いや大切な来客を迎えるために使われました。ほかの部屋よりも豪華な天井のロココ装飾に、赤い絹の織物、クリスタルを飾ったシャンデリア。鏡が光を反射し、ろうそくの灯りのもとでは、いっそう輝いて見えたことでしょう。
ゲーテの妹コルネーリアの結婚式や、1771年10月14日にゲーテが催したシェイクスピアを称える集いも、この部屋で行われました。
天文時計(Astronomische Uhr)

重厚な木製ケースに、複数の文字盤が並ぶ「天文時計」。1746年、ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヒュスゲンが、自らの設計に基づいて製作させたものです。少年時代のゲーテは、ヒュスゲンの息子と一緒に習字を習うためにその家を訪れ、この時計を目にしていました。
時計が示すのは、時刻だけではありません。最上部の真鍮の輪には曜日・月・年が表示され、中央の文字盤には時刻、その右には月の満ち欠け、左には黄道十二宮における太陽の位置が示されます。
さらに、下部にはクマの仕掛けも。時計が止まる6時間前になると仰向けに倒れ、動力となる重りを引き上げる時期を知らせます。少年ゲーテの心を捉えたこの精巧な時計は、後年の自伝『詩と真実』にも登場します。
庭のファウストとグレートヒェン像

庭には、『ファウスト』の登場人物、ファウストとグレートヒェンの大理石像があります。庭園で愛を交わす二人を表した作品で、椅子に腰掛けるファウストと、その首に腕を回すグレートヒェンの姿が、衣服のひだや指先まで繊細に彫り込まれています。
作者は、ミラノの彫刻家アントニオ・タンタルディーニ。1864年に制作した最初の作品をもとに、1869年に作者自身が手がけた複製で、当初から庭園に置く彫刻として作られました。台座にはゲーテの顔が彫られています。
ミュージアムショップ

ミュージアムショップには、マグネットやペン、しおり、メモ帳、靴下、コースター、缶入りチョコレートなどにゲーテの顔が描かれたさまざまなグッズが並びます。ゲーテの著書も豊富に揃っており、見学をきっかけに気になった作品を手に取る楽しみもあります。訪問の記念や、文学好きの方へのお土産を探すのにも立ち寄りたい場所です。

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