ガイドブックの定番スポットも良いけれど、ヨーロッパらしい優雅な雰囲気をのんびり味わいたい。そんな方にいちおしなのが、隠れた名所フルダ(Fulda)です。
バロック建築で有名なこの街には、思わず見惚れてしまう素敵な景色がたくさん詰まっています。今回は、フルダを訪れたら絶対に外せないスポットをお届けします。
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フランクフルトから電車でわずか1時間半の距離なのに、ビックリするくらい雰囲気が違うんですよ!
フルダってどんな町?

フルダ(Fulda)は、ヘッセン州東部にある人口約7万人の町です。フランクフルトから北東へ約100kmに位置しています。
744年に修道院が創設されたことから発展し、中世には宗教や学問の重要な中心地となりました。特に、ドイツでのキリスト教布教に大きな役割を果たした聖ボニファティウスゆかりの地として、今も多くの人々が訪れます。
また、フルダは「バロック都市(Barockstadt Fulda)」としても有名です。大聖堂や宮殿など、18世紀に整えられた華やかな町並みが大きな特徴で、現在は東ヘッセン地方の中心都市として栄えています。
フルダへのアクセスと市内交通
鉄道でのアクセス
フランクフルト方面やカッセル方面から電車で約1時間半、「フルダ駅」で下車します。
| 出発地 | 電車 | 所要時間 |
|---|---|---|
| フランクフルト中央駅 | RE50 | 約1.5時間 |
| カッセル中央駅 | RB5 | 約1.5時間 |
🌐 DB(ドイツ鉄道)またはRMV(ライン=マイン交通連合)の公式サイトから、最新の所要時間や運賃を確認してください。
市内交通
🚌 フルダ市内の公共交通は、主に市バスが担っています。市内各地を結ぶ路線が運行されており、観光の際にも利用できます。市内観光は徒歩でまわれますが、少し離れたフラウエンベルク修道院へ行く場合はフルダ駅バスターミナルから市バス1番に乗ります。
市内交通の時刻表や路線、チケット料金は、RMV(ライン=マイン交通連合)の公式サイトで確認できます。
ドイツ全土の公共交通機関が定額で使える「Deutschlandticket(ドイチュランドチケット)」ももちろん利用可能です。こちらの記事で詳しく紹介しています。
フルダ街歩きモデルコース

旧市街を中心に、コンパクトに観光スポットが集まっています。シュロスガルテンやフラウエンベルク修道院は、時間をとってのんびり散策するのがおすすめです。
基本のモデルコース
- フルダ駅からフルダ市宮殿へ
- フルダ旧市街
- 聖ブラジウス市教区教会
- フルダ旧市庁舎
- ヘクセントゥルム
- フルダ大聖堂
- 聖ミヒャエル教会(Michaelskirche)
余裕があれば、ゆっくり訪れたい
- シュロスガルテン(Schlossgarten)+オランジェリー(Orangerie)
- フラウエンベルク修道院(Kloster Frauenberg)
フルダの見どころ
フルダ市宮殿(Stadtschloss Fulda)

フルダ市宮殿は、かつてフルダを治めた領主修道院長や領主司教の居城として使われていた宮殿です。現在のバロック様式の姿は18世紀初頭、建築家ヨハン・ディーツェンホーファーによって整えられました。フルダ大聖堂と並び、町を代表するバロック建築のひとつです。
現在は建物の一部が「歴史的諸室(Historische Räume)」として公開されており、華やかな天井装飾や家具、鏡の間などを見ることができます。当時の領主たちが暮らした空間を実際に見学できるのが、大きな見どころです。

📍住所:Schloßstraße 1, 36037 Fulda
🌐公式サイト(独)
🕛開館時間:火~日・祝 10:00-17:00、月 休館
🎫 入場料:大人 3.5ユーロ(2026年8月現在)
フルダ旧市街(Altstadt Fulda)

フルダ旧市街には、曲がりくねった細い路地や木組みの家々、小さなショップが並び、華やかなバロック地区とはまた違った雰囲気を楽しめます。フルダ観光局も、旧市街を「入り組んだ路地、絵になる木組み建築、小さな店」が魅力のエリアとして紹介しています。
なかでも Unterm Heilig Kreuz 周辺は、中世の町の中心だった場所。現在も歴史ある建物が集まり、旧市街らしい景観が残っています。旧市庁舎(Altes Rathaus)もこの一帯にあります。
📍住所:Unterm Heilig Kreuz, 36037 Fulda
聖ブラジウス市教区教会(Stadtpfarrkirche St. Blasius)

聖ブラジウス市教区教会は、フルダ旧市街の中心に建つ後期バロック様式のカトリック教会です。現在の建物は、領主司教ハインリヒ・フォン・ビブラのもと、1770年代から1780年代にかけて建設されました。
この場所には中世から教会があり、現在の建物以前にもロマネスク様式、さらにゴシック様式の教会が建てられていました。現在の教会は三廊式で、旧市街の木組みの町並みの中に白いバロック建築が現れるため、周囲とはまた違った印象を与えます。現在もフルダ中心部のカトリック教区の教会として使われています。
📍住所:Unterm Heilig Kreuz 12, 36037 Fulda
🌐公式サイト(独)
🕛開館時間:毎日 9:00-18:00
🎫 入場料:寄付歓迎
フルダ旧市庁舎(Altes Rathaus Fulda)

フルダ旧市街を代表する木組み建築のひとつが、旧市庁舎(Altes Rathaus)です。建物の中核部分は西暦1500年以前にさかのぼり、1531年から1782年まで市庁舎として使われていました。
かつて1階部分はアーケードのある開放的な空間で、商取引や市民の集会などに利用されていました。現在見られる印象的な切妻屋根や小塔を備えた外観は、1960年代末から1970年頃にかけて、歴史資料をもとに復元・修復されたものです。
📍住所:Unterm Heilig Kreuz 10, 36037 Fulda
🌐公式サイト(独)
🕛外観のみ24時間見学可
ヘクセントゥルム(Hexenturm)

ヘクセントゥルムは、フルダ旧市街のカナル通り(Kanalstraße)に残る中世の市壁の防御塔です。高さは約14mで、かつて町を囲んでいた防御施設の中でも、特に保存状態の良い塔として知られています。
華やかなバロック建築が目立つフルダの中で、中世の城壁都市だった頃の面影を感じられるスポットのひとつです。2024年から修復が進められ、今後は市内ガイドツアーの一部として内部見学できるよう整備される計画が発表されています。
📍住所:Kanalstraße 1, 36037 Fulda
🕛外観のみ24時間見学可
フルダ大聖堂(Fuldaer Dom / Dom St. Salvator)

フルダ大聖堂(聖サルヴァトール大聖堂)は、フルダを代表するランドマークであり、ヘッセン州でも特に重要なバロック教会です。現在の建物は、領主修道院長アーダルベルト・フォン・シュライフラスのもと、建築家ヨハン・ディーツェンホーファーの設計で1704~1712年に建てられました。
もともとこの場所にはフルダ修道院の教会があり、現在の大聖堂もその長い宗教史を受け継いでいます。内部には、ドイツでのキリスト教布教に大きな役割を果たした聖ボニファティウスの墓があり、現在も巡礼者が訪れる重要な場所です。

📍住所:Domplatz 1, 36037 Fulda
🌐公式サイト(独)
🕛開館時間:
4月~10月/月-土 6:30-19:00、日祝 9:00-19:30
11月~3月/月-土 6:30-18:00、日祝 9:00-19:30
🎫 入場料:寄付歓迎
⛪大聖堂博物館はこちらのサイトを参照してください。
聖ミヒャエル教会(Michaelskirche)

聖ミヒャエル教会は、820~822年に建てられた、ドイツで最も古い教会建築のひとつです。もともとはフルダ修道院の墓地教会として建てられ、2022年には創建1200年を迎えました。
特に印象的なのが内部です。中央に円形の空間をもつ独特の構造で、華やかなバロック様式のフルダ大聖堂とはまったく違う、質素で重厚な中世初期の雰囲気が残っています。地下のクリプトには、創建当初のカロリング朝時代の部分も残されており、フルダの長い歴史を実感できる場所です。

📍住所:Michaelsberg 1, 36037 Fulda
🌐公式サイト(独)
🕛開館時間:
4月~10月/毎日 10:00-18:00
11月~3月/毎日 14:00-17:00
🎫 入場料:寄付歓迎
シュロスガルテン(Schlossgarten)+オランジェリー(Orangerie)

フルダ市宮殿とオランジェリーの間に広がるシュロスガルテンは、18世紀初頭に整えられたバロック庭園です。幾何学的に配置された花壇や並木が美しく、市街地の中心にありながら、ゆっくり散策できる緑豊かな場所として親しまれています。
庭園の北側に建つオランジェリーは、1721~1724年に建てられたバロック建築で、庭園の景観を印象づける存在です。現在はコンサートやイベントなどにも利用されています。
※オランジェリーとは、もともと冬の寒さからオレンジやレモンなどの柑橘類を守るための温室・越冬施設として、ヨーロッパの宮殿や庭園に造られた建物です。その後、実用施設だけでなく、宮殿庭園を飾る華やかな建築として発展しました。
⛲シュロスガルテン
📍住所:Pauluspromenade, 36037 Fulda
🕛開園時間:毎日 7:00-22:30
🎫 入場料:無料・屋外施設
🍊オランジェリー
📍住所:Pauluspromenade 2, 36037 Fulda
🕛外観のみ24時間見学可
フラウエンベルク修道院(Kloster Frauenberg)

フラウエンベルク修道院は、フルダの町を見下ろす高台に建つフランシスコ会の修道院です。中心部の観光スポットからは少し離れていますが、そのぶん高台からはフルダの町並みを一望でき、この眺望は大きな魅力として紹介されています。
修道院のそばには、一般の人も立ち寄れる広い修道院庭園(Klostergarten)があり、花やハーブ、野菜などが育てられています。庭園は静かに散策したり、腰を落ち着けて過ごしたりできる場所として開放されています。
さらに敷地内にはFLORA Klostercaféがあり、食事やケーキを楽しみながらフルダの景色を眺めることができます。宿泊施設も提供されています。
📍住所:Am Frauenberg 1, 36039 Fulda-Frauenberg
🚌行き方:フルダ駅バスターミナルから市バス1番に乗り「Frauenberg」停留所で下車。そこから修道院まで約500m歩きます。フルダ駅から修道院まで全部歩く場合は約1.5km・徒歩約20分です。
🌐公式サイト(独)
🌐宿泊予約はこちらのサイトから申し込めます。
🌷修道院庭園(Klostergarten)
🕛開園時間:毎日 9:00〜18:00
☕カフェ(FLORA Klostercafé)
🕛営業時間:火~日 9:45-21:30(ラストオーダー20:00)
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おわりに
フルダは、大都市の喧騒から少し離れて、上品で華やかな空気に浸りたいときにぴったりの街です。美しい景色を眺めながらただのんびり歩くだけで、贅沢な時間を過ごすことができます。

週末のお出かけや、フランクフルト滞在中の日帰り観光に、ぜひフルダを候補に入れてみてくださいね。
🏰ドイツ各地の観光スポットや街歩きコースは、他の記事でも紹介しています。人気都市から歴史ある町まで、現地在住の筆者がまとめた旅行ガイドを掲載しています。ぜひ[ドイツ観光案内カテゴリー]もあわせてご覧ください。
画像出典:
*1 By Dr. Bernd Gross – Own work, CC BY-SA 4.0, Link
*2 By Leonhard Lenz – Own work, CC0, Link
*3 By Dr. Bernd Gross – Own work, CC BY-SA 4.0, Link
*4 By Gerd Eichmann – Own work, CC BY-SA 4.0, Link
*5 By Sfintu1 – Own work, CC BY-SA 4.0, Link
*6 Von Jörg Braukmann – Eigenes Werk, CC BY-SA 4.0, Link
*7 Von Verum – Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, Link
*8 Von Verum – Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, Link



