【グリム童話翻訳】魔法使いのおばあさんなんて居なかった|シンデレラ1812年初版・原文PDF付き

義理の母や姉から辛い仕打ちをうけるシンデレラ グリム童話
シンデレラ(灰かぶり)

『グリム童話』は、19世紀初頭にドイツのグリム兄弟が各地に伝わる昔話を集め、まとめた民話集です。現在の子ども向けの童話とは異なり、初版に近い物語には、素朴な表現や、残酷な描写も残されています。

この連載では、『子どもと家庭の童話(Kinder- und Hausmärchen)』1812年初版に掲載された物語を、できるだけ原文の流れを残しながら日本語に訳しています。文末には、底本として参照したWikisource公開版をダウンロードできるリンクを入れています。

まいん
まいん

フェアリー・ゴッドマザーやかぼちゃの馬車、ガラスの靴などが出てくるのはシャルル・ペローの『サンドリヨン』で、実はグリムの『灰かぶり』にはそれらは出てこないんですよ!

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シンデレラ(灰かぶり)|Aschenputtel

むかしむかし、あるところに裕福な男がいました。男は妻と長いあいだ幸せに暮らしており、二人のあいだには一人娘がいました。ところが妻は病気になり、いよいよ死が近づくと、娘を呼んで言いました。

「かわいい子よ、私はもうあなたのそばを離れなければなりません。でも、私が天国へ行ったら、そこからあなたを見守っています。私のお墓に小さな木を一本植えなさい。そして何か欲しいものがあるときには、その木を揺すれば、それを手に入れられるでしょう。それから、何か困ったことがあったときには、私が助けを送ります。だから、いつまでも敬虔で善い子でいておくれ」

そう言い終えると、母親は目を閉じ、息を引き取りました。娘は泣きながら、母親のお墓に小さな木を植えました。その木に水を運んでやる必要はありませんでした。娘の涙だけで、十分だったからです。

雪が母親の墓を白い布のように覆い、やがて太陽がその雪を再び取り去りました。そして木が二度目の緑の葉をつけたころ、父親は別の女を妻に迎えました。

継母には、最初の夫とのあいだに生まれた二人の娘がいました。二人とも顔立ちは美しかったのですが、心は高慢で、思い上がっていて、意地が悪い娘たちでした。結婚式が終わり、継母と二人の娘がそろって家へやってくると、かわいそうな娘にはつらい日々が始まりました。

「こんなみっともない役立たずが、部屋の中で何をしているの」

継母はそう言いました。

「台所へ追いやっておしまい。パンが食べたいのなら、まず自分で働いてそれを稼がなくてはね。うちの女中にすればいいわ」

すると義理の姉たちは娘の服を取り上げ、古い灰色の服を着せました。

「これはあんたにお似合いよ!」

二人はそう言って娘を笑いものにし、台所へ連れていきました。

それから、かわいそうな娘は重労働をしなければならなくなりました。夜が明ける前に起き、水を運び、火をおこし、料理をし、洗濯をしました。そのうえ義理の姉たちは、ありとあらゆるつらい仕打ちをして娘を苦しめました。娘をあざ笑い、エンドウ豆やレンズ豆を灰の中へばらまいて、一日じゅう座って拾い分けさせるのです。

夜になって疲れても、娘には眠るためのベッドさえありませんでした。かまどのそばの灰の中に横にならなければならなかったのです。いつも灰や埃の中をかきまわしていたため、娘は汚れて見えました。そこでみんなは、娘を「灰かぶり」と呼ぶようになりました。


あるとき、王が舞踏会を開くことになりました。それは三日間にわたり、盛大に催されるものでした。そして王子は、その舞踏会で妻となる女性を選ぶことになっていました。高慢な二人の姉も招待されました。

「灰かぶり!」

二人は呼びました。

「こっちへ来て、髪をとかして。靴を磨いて、留め具もしっかり留めてちょうだい。私たちは王子様の舞踏会へ行くんだから」

灰かぶりは一生懸命、できるかぎりきれいに二人を着飾らせました。しかし二人は、そのあいだも灰かぶりを叱ってばかりいました。支度が終わると、二人はからかうように尋ねました。

「灰かぶり、あんたも舞踏会へ一緒に行きたいんでしょう?」

「ああ、ええ。でも、どうやって行けばいいの? 私には着ていく服がないもの」

「だめよ」

姉が言いました。

「あんたがあそこに姿を見せたりしたら、たまったものじゃないわ。あんたが私たちの妹だってみんなに知られたら、恥ずかしくて仕方ないもの。あんたの居場所は台所よ。ほら、レンズ豆がいっぱい入った鉢があるでしょう。私たちが帰ってくるまでに、きれいに選り分けておきなさい。悪い豆が一粒でも混じっていたら、ただではすまないと思いなさい」

そう言って二人は出かけていきました。灰かぶりはその場に立ったまま、二人の姿を見送りました。そして何も見えなくなると、悲しそうに台所へ行き、レンズ豆をかまどの上へあけました。それは、とても、とても大きな山になりました。

「ああ」

灰かぶりはため息をつきました。

「これじゃ真夜中まで選り分けなくちゃ。目がどんなに痛くなっても、眠ることもできないわ。お母さんがこれを知ったら!」

そう言って、かまどの前の灰の中にひざまずき、豆を選り分けようとしたそのとき、二羽の白い鳩が窓から飛び込んできて、かまどの上のレンズ豆のそばにとまりました。鳩たちは小さな頭をうなずかせて言いました。

「灰かぶり、レンズ豆を選り分けるのを手伝ってあげようか?」

「ええ」

灰かぶりは答えました。

「悪い豆は、そのう(鳩のお腹の袋)に、
よい豆は、小さな壺に」

すると鳩たちは、ついばみ始めました。

つん、つん! つん、つん!

悪い豆は食べてしまい、よい豆だけを残していきます。十五分もすると、レンズ豆は一粒の悪い豆も混じっていないほどきれいになり、灰かぶりは全部を小さな壺へ入れることができました。すると鳩たちは言いました。

「灰かぶり、お姉さんたちが王子様と踊っているところを見たいなら、鳩小屋へ上がってごらん」

灰かぶりは鳩たちについていき、はしごのいちばん上の段まで登りました。そこから舞踏会の広間を見ることができました。灰かぶりには、姉たちが王子と踊っている姿が見えました。そして幾千もの灯りが、目の前できらきらと輝いていました。

十分に眺めたあと、灰かぶりは下へ降りました。胸は重く沈んでいました。そして灰の中に横になると、そのまま眠ってしまいました。


翌朝、二人の姉が台所へやってきました。

灰かぶりがレンズ豆をきれいに選り分けてしまっているのを見ると、二人は腹を立てました。本当は灰かぶりを叱りつけたかったのですが、その理由がなくなってしまったからです。そこで二人は舞踏会の話を始めました。

「灰かぶり、昨日の舞踏会は本当に楽しかったのよ。世界でいちばん美しい王子様が、私たちを踊りに連れ出してくださったの。私たちのどちらかが、王子様のお妃になるのよ」

「そう」

灰かぶりは言いました。

「灯りがきらきらしているのが見えたわ。きっと、とても華やかだったでしょうね」

「まあ! どうやって見たの?」

姉が尋ねました。

「鳩小屋の上に立っていたの」

それを聞くと姉は嫉妬し、鳩小屋をすぐに壊すよう命じました。灰かぶりは、また二人の髪を整え、きれいに着飾らせなければなりませんでした。すると、まだ少しだけ同情心を持っていた妹のほうが言いました。

「灰かぶり、暗くなったら舞踏会へ行って、外から窓の中をのぞけばいいじゃない」

「だめよ」

姉が言いました。

「そんなことをしたら、この子が怠けるだけよ。ほら、灰かぶり。ここにヴィッケ豆が一袋あるから、よいものと悪いものを分けなさい。しっかり働くのよ。明日の朝までにきれいになっていなかったら、全部灰の中へぶちまけて、一粒残らず拾い出すまで何も食べさせないからね」

灰かぶりは悲しそうにかまどのそばに座り、ヴィッケ豆をあけました。すると、また鳩たちが飛んできて、やさしく言いました。

「灰かぶり、豆を選り分けるのを手伝ってあげようか?」

「ええ。悪い豆は、そのうに、
よい豆は、小さな壺に」

つん、つん! つん、つん!

まるで十二本の手が働いているかのような速さでした。選り分けが終わると、鳩たちは言いました。

「灰かぶり、あなたも舞踏会へ行って踊りたい?」

「ああ、どうしましょう。こんな汚れた服で、どうやって行けばいいの?」

「お母さんのお墓にある小さな木のところへ行って、それを揺すり、きれいな服が欲しいと願いなさい。でも、真夜中になる前に戻ってくるのよ」

灰かぶりは外へ出て、小さな木を揺すりながら言いました。

「小さな木よ、揺れて、身を振って、私にきれいな服を落としておくれ!」

そう言い終わるか終わらないうちに、目の前に見事な銀色のドレスが落ちていました。それに真珠、銀のマチ飾りのついた絹の靴下、銀の室内履き、そしてそのほか必要なものがすべてそろっていました。灰かぶりはそれを全部家へ持ち帰りました。そして体を洗い、服を着ると、まるで露に洗われた薔薇のように美しくなりました。

家の戸口へ出ると、そこには羽根飾りをつけた六頭の黒馬が引く馬車が待っていました。そのそばには、青と銀の服を着た召使いたちが立っていました。召使いたちは灰かぶりを馬車に乗せ、馬車は全速力で王の城へ向かいました。

王子は、門の前に馬車が止まるのを見ました。見知らぬ王女がやってきたのだと思い、自ら階段を降りていき、灰かぶりを馬車から降ろして広間へ案内しました。幾千もの灯りの輝きが灰かぶりを照らすと、その姿はあまりにも美しく、誰もが驚きました。

二人の姉もそこにいました。自分たちより美しい人がいることに腹を立てましたが、それが家で灰の中に寝ている灰かぶりだとは、夢にも思いませんでした。王子は灰かぶりと踊り、灰かぶりは王族に対するような敬意をもって扱われました。王子は心の中で思いました。

「私は花嫁を選ばなければならない。この人以外には考えられない」

それまで長いあいだ灰と悲しみの中で暮らしてきた灰かぶりは、今では華やかさと喜びの中にいました。けれど真夜中が近づき、十二時の鐘が鳴る前に、灰かぶりは立ち上がってお辞儀をしました。王子が何度も何度も引き止めましたが、それ以上残ろうとはしませんでした。

王子が階下まで送っていくと、下では馬車が待っていました。灰かぶりは、来たときと同じ華やかな姿で帰っていきました。


家へ着くと、灰かぶりは再び母親の墓の小さな木のところへ行きました。

「小さな木よ、揺れて、身を振って、この服をまた受け取っておくれ!」

すると木は服を再び受け取り、灰かぶりはもとの灰まみれの服を着ていました。灰かぶりは家へ戻り、顔を埃で汚して、灰の中に横になって眠りました。

翌朝、姉たちは戻ってきました。二人とも不機嫌そうな顔をして、黙り込んでいました。灰かぶりが言いました。

「昨日の晩は、ずいぶん楽しかったんでしょう?」

「いいえ。王女様が一人いらして、王子様はほとんどずっとその方と踊っていたの。でも、誰もあの方を知らなかったし、どこから来たのかも誰にもわからなかったわ」

「六頭の黒馬が引く立派な馬車に乗っていた人かしら?」

灰かぶりが言いました。

「どうして知っているの?」

「家の戸口に立っていたら、前を通っていくのが見えたの」

「これからは自分の仕事をしていなさい」

姉は灰かぶりを険しい目で見ながら言いました。

「戸口に立っている必要なんてないでしょう」

灰かぶりはこれで三回目、二人の姉をきれいに着飾らせなければなりませんでした。その褒美として、二人は灰かぶりにエンドウ豆の入った鉢を一つ渡し、きれいに選り分けるように言いました。

「仕事を放り出してどこかへ行こうなんて思わないことね!」

姉は去り際にそう言いました。灰かぶりは思いました。

「鳩たちが来てくれればいいのだけれど」

少し胸がどきどきしました。けれど鳩たちは前の晩と同じようにやってきて、言いました。

「灰かぶり、エンドウ豆を選り分けるのを手伝ってあげようか?」

「ええ。悪い豆は、そのうに、
よい豆は、小さな壺に」

鳩たちはまた悪い豆をついばみ、すぐに仕事を終えました。そして言いました。

「灰かぶり、小さな木を揺すりなさい。今度はもっときれいな服を落としてくれるでしょう。舞踏会へ行っておいで。でも、真夜中になる前に戻るのを忘れないで」

灰かぶりは木のところへ行きました。

「小さな木よ、揺れて、身を振って、私にきれいな服を落としておくれ!」

すると、前のものよりさらに見事で華やかなドレスが落ちてきました。ドレスはすべて金と宝石でできており、金のマチ飾りのついた靴下と、金の室内履きもありました。灰かぶりがそれを身につけると、真昼の太陽のように輝きました。

戸口には六頭の白馬が引く馬車が待っていました。馬たちの頭には高い白い羽根飾りがついており、召使いたちは赤と金の服を着ていました。

灰かぶりが城へ着くと、王子はすでに階段で待っていて、灰かぶりを広間へ案内しました。前の日にも誰もがその美しさに驚きましたが、この日はさらに驚きました。

二人の姉は隅に立ち、嫉妬のあまり青ざめていました。もしそれが、家では灰の中に寝ている灰かぶりだと知っていたなら、二人は嫉妬のあまり死んでしまったことでしょう。

王子は、この見知らぬ王女が誰なのか、どこから来て、どこへ帰るのかを知りたいと思っていました。そこで通路に人を配置し、見張らせていました。また、灰かぶりがそう簡単に逃げられないように、階段全体にピッチ(粘り気のある黒い樹脂)を塗らせていました。

灰かぶりは王子と踊り続け、楽しく過ごしているうちに、真夜中のことを忘れてしまいました。突然、踊っている最中に鐘の音が聞こえました。そのとき、鳩たちに注意されたことを思い出しました。灰かぶりは驚き、戸口へ急ぎ、階段を飛ぶように駆け下りました。

ところが階段にはピッチが塗られていたため、金の室内履きの片方がくっついて取れなくなりました。灰かぶりは慌てていたので、それを持っていくことも思いつきませんでした。階段の最後の一段を降りたところで、十二時の鐘が鳴り終わりました。すると馬車も馬も消え、灰かぶりは暗い道の上に、いつもの灰まみれの服を着て立っていました。

王子は灰かぶりを追ってきました。階段で金の室内履きを見つけると、ピッチから引きはがして拾い上げました。けれど階段の下まで来たときには、すべてが消えていました。見張りに立たせていた者たちもやってきて、何も見なかったと言いました。


灰かぶりは、それ以上悪いことにならなかったのを喜び、家へ帰りました。そして薄暗い油のランプに火をつけ、煙突の中に吊るすと、灰の中に横になりました。それからあまり時間がたたないうちに、二人の姉も帰ってきました。

「灰かぶり、起きて。明かりを持ってきて!」

灰かぶりはあくびをして、今ちょうど眠りから目を覚ましたようなふりをしました。明かりを持っていると、姉の一人が言うのが聞こえました。

「あの忌々しい王女がいったい誰なのか、神様だけがご存じだわ。地面の中に埋まってしまえばいいのに! 王子様はあの人としか踊らなかったし、あの人がいなくなったら、もうそこにいたくないと言い出して、舞踏会そのものが終わってしまったのよ」

「まるで灯りが全部いっぺんに吹き消されたみたいだったわ」

もう一人が言いました。灰かぶりは、見知らぬ王女が誰なのかよく知っていましたが、一言も口にしませんでした。


王子は考えました。

「ほかの方法がすべて失敗したのなら、この室内履きが花嫁を見つける助けになるだろう」

そこで王子は、この金の室内履きがぴったり合う女性を、自分の妻にすると触れまわらせました。しかし誰にとっても靴は小さすぎました。中には、たとえ二つの室内履きを合わせて一つにしたとしても、足を入れられないほどの人さえいました。

とうとう、二人の姉が試す番になりました。二人は喜びました。自分たちは小さく美しい足をしていたので、失敗するはずがないと思ったのです。

「あとは王子様がここへ来てくださればいいだけだわ」

二人はそう思いました。母親は二人にこっそり言いました。

「いいこと、ここにナイフがあるわ。もし室内履きがまだきつかったら、足を少し切り落としなさい。少しくらい痛くても、何だというの。すぐに痛みは消えるし、あなたたちのどちらかが王妃になれるのよ」

姉は自分の部屋へ行き、室内履きを履いてみました。つま先は入りましたが、かかとが大きすぎました。そこでナイフを取り、室内履きに足を押し込められるようになるまで、かかとの一部を切り落としました。それから王子のところへ出ていきました。

王子は姉が室内履きを履いているのを見ると、この人が花嫁だと言い、馬車へ連れていって、一緒に出発しようとしました。ところが門まで来ると、上にとまっていた鳩たちが叫びました。

「くるっくー、くるっくー!
靴の中には血がある!
その靴は小さすぎる、
本当の花嫁は、まだ家にいる!」

王子は身をかがめて室内履きを見ると、血があふれ出していました。そこで騙されていたことに気づき、偽の花嫁を家へ連れ戻しました。

母親はもう一人の娘に言いました。

「今度はあなたが室内履きを履きなさい。もし長さが足りなかったら、前のつま先のところを切るのよ」

妹は室内履きを自分の部屋へ持っていきました。足が大きすぎると、歯を食いしばり、足の指を大きく切り落として、急いで室内履きを押し込みました。その姿で出てくると、王子は今度こそ本当の花嫁だと思い、一緒に出発しようとしました。

ところが門まで来ると、鳩たちがまた叫びました。

「くるっくー、くるっくー!
靴の中には血がある!
その靴は小さすぎる、
本当の花嫁は、まだ家にいる!」

王子が下を見ると、花嫁の白い靴下は赤く染まり、血が上のほうまで染み出していました。そこで王子は娘を母親のところへ連れ戻し、言いました。

「この人も本当の花嫁ではない。ほかに娘はいないのですか?」

「いいえ」

母親は言いました。

「いるのは、みっともない灰かぶりだけです。下で灰の中に座っています。あの子にこの室内履きが合うはずはありません」

母親は灰かぶりを呼ばせたくありませんでした。けれど王子がどうしてもと言うので、灰かぶりが呼ばれました。王子が来ていると聞くと、灰かぶりは急いで顔と手を洗い、きれいにしました。そして部屋へ入ると、お辞儀をしました。

王子は金の室内履きを差し出して言いました。

「履いてみてください。もしぴったり合えば、あなたが私の妻になります」

灰かぶりは左足に履いていた重い靴を脱ぎ、金の室内履きに足を入れて、ほんの少し押しました。すると、まるであつらえたようにぴったりと足がおさまりました。灰かぶりが顔を上げると、王子はその顔を見ました。そして、あの美しい王女だと気づいて叫びました。

「この人が本当の花嫁だ!」

継母と高慢な二人の姉は驚き、青ざめました。けれど王子は灰かぶりを連れていき、馬車に乗せました。

二人が門を通ると、鳩たちが叫びました。

「くるっくー、くるっくー!
靴の中には血がない!
その靴は小さすぎない、
本当の花嫁を、王子は家へ連れていく!」

<完>

底本: Brüder Grimm: „Aschenputtel“, in: Kinder- und Haus-Märchen, Band 1, Berlin: Realschulbuchhandlung, 1812, S. 88–101. 本文はWikisource公開版をもとにしています。

まいん
まいん

今さらですが、父親は空気、王子は足のサイズが合えば誰でも良かったのか、とツッコミどころ満載でしたね!姉二人の血の付いた室内履きを平気で履くシンデレラもなかなかたくましいです!

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