当サイト『まいん・どいちゅらんど』では、1年間有効のMuseumsuferCardと呼ばれるフランクフルトの美術館・博物館39館が対象のパスを購入し、1年間で全館制覇を目指す特別企画を立ち上げました。今回は西洋美術ファンなら絶対に外せない【シュテーデル美術館】をご紹介します。

晴れた日には展望台からフランクフルトのスカイラインをパノラマで見ることが出来るんですよ!
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シュテーデル美術館とは?

シュテーデル美術館(Städel Museum)は、フランクフルトのマイン川南岸にある、西洋美術のコレクションで知られる美術館です。14世紀初頭から現代まで、約700年にわたる美術の歴史をたどることができ、フランクフルトを代表する文化施設のひとつとなっています。
その始まりは、1815年。フランクフルトの銀行家・商人であり、美術品の収集家でもあったヨハン・フリードリヒ・シュテーデルが、自身の財産とコレクションをもとに、美術館と美術教育のための機関を設立するよう遺言に定めたことにさかのぼります。ドイツで最も古い美術館財団として知られ、現在も市民や企業、財団の支援によって活動が支えられています。
所蔵品は絵画約3,100点、彫刻約660点に加え、写真や素描、版画にも及びます。ボッティチェリやフェルメール、モネ、ピカソなどの作品を通じて、中世の宗教画からルネサンス、バロック、近代・現代美術まで、幅広い時代の表現に出会えるのが大きな魅力です。
シュテーデル美術館の基本情報
※2026年10月現在の公式情報を元にまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | シュテーデル美術館(Städel Museum) |
| 住所 | Schaumainkai 63, 60596 Frankfurt am Main |
| 公式サイト | https://www.staedelmuseum.de/ |
| 開館時間 | 火・水・金・土・日曜:10:00~18:00/木曜:10:00~21:00 |
| 休館日 | 月曜(祝日などの特別開館日は公式サイト参照) |
| チケット | 大人:19€/学生などの割引料金:17€/12歳未満:無料/18歳未満:有効なチケットを持つ家族の大人同伴で無料/ファミリー:30€(大人最大2名+未成年の子供1~6名、窓口販売のみ) |
| Frankfurt Card | 割引料金適用(最大2€引き) |
| MuseumsuferCard | 常設展・館の所蔵品による特別展・展望台は無料。国際的な借用作品を含む大型特別展は対象外 |
| 展望台 | 火曜~日曜:10:00~18:00(天候により利用制限あり) |
| アクセス | トラム15・16番「Otto-Hahn-Platz」停留所、または地下鉄U1・U2・U3・U8「Schweizer Platz」駅から徒歩 |
フランクフルトカードは、公共交通機関と美術館などの割引がセットになったお得なカードです。
✔️ゾーン50(Frankfurt am Main)とゾーン5090(フランクフルト国際空港)での乗り放題
✔️美術館や観光施設などで各種割引
✔️有効期限 1 – 2 日から選べます
展望台から見るフランクフルト
シュテーデル美術館の屋上には、入館者が追加料金なしで楽しめる展望台があります。晴れた日には、フランクフルトのスカイラインをパノラマで見渡せます。2026年10月に撮影した動画で、その眺めをお楽しみください。
主な作品

短い滞在でも、これだけは絶対に押さえたい!シュテーデル美術館の「顔」ともいえる名作をご紹介します。以下の作品紹介は、公式の解説を参考にしています。
ふたつのゲーテ像
ティッシュバイン《ローマのカンパーニャのゲーテ》
作者:ヨハン・ハインリヒ・ヴィルヘルム・ティッシュバイン/制作年:1787年

広いつばの帽子と白い外套をまとい、古代遺跡を背景にくつろぐゲーテ。その姿は、ゲーテのイメージを広く定着させた肖像画として知られています。イタリア旅行中のゲーテは、ローマで友人の画家ティッシュバインの家に滞在し、一緒に郊外のカンパーニャにある古代の墓を訪れました。この絵は、その風景を舞台に文豪の姿を描いたものです。
よく見ると、両足とも左足のように見えるという不思議な点もあります。その理由は、今も解明されていないそうです。
ウォーホル《ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ》
作者:アンディ・ウォーホル/制作年:1982年

鮮やかな色彩で描かれた、もうひとつのゲーテ像。アメリカのポップアートを代表するウォーホルが、シュテーデル美術館で鑑賞したティッシュバインのゲーテの肖像画をもとに制作した作品です。
広いつばの帽子や顔の向きはそのままに、赤い顔と青緑の背景が印象を大きく変えています。同じゲーテが、色彩や表現によってまったく違う雰囲気になるところが、ふたつの肖像を見比べる楽しさです。
中世から近世の名画
《小さな楽園の園》
作者:上ライン地方の画家(名前不詳)/制作年:1410~1420年頃

草花や鳥に囲まれた庭園で、聖母マリアと幼子イエス、聖人たちが穏やかに集う姿を描いた作品です。読書や音楽を楽しむ優雅な情景に、中世後期の絵画らしい柔らかな表現と、自然を細かく観察する眼差しが重なっています。
特に注目したいのは、24種類の植物と12種類の鳥が、種類を判別できるほど精密に描かれていることです。庭を囲む壁には聖母マリアの純潔を象徴する意味もあり、美しい庭園の風景に宗教的な意味が織り込まれています。
ボッティチェリ《女性の理想像(ニンフとしてのシモネッタ・ヴェスプッチの肖像)》
作者:サンドロ・ボッティチェリ/制作年:1480~1485年頃

真珠やリボンで飾られた髪と、端正な横顔が印象的な作品です。ジュリアーノ・デ・メディチの恋人で、若くして亡くなったシモネッタ・ヴェスプッチの面影を、神話に登場する精霊『ニンフ』の姿に重ねています。実際の容姿を忠実に写す肖像画ではなく、理想の美を表現した女性像です。
胸元のペンダントにも、メディチ家とのつながりが見られます。家のコレクションにあった有名な古代のカメオを模したもので、華やかな装飾の細部にも作品の背景が織り込まれています。
フェルメール《地理学者》
作者:ヨハネス・フェルメール/制作年:1669年

窓から差し込む光の中で、コンパスを手に思索にふける地理学者。地図上の距離を測る作業からふと手を止めたような姿に、頭の中で世界を見渡す、静かな集中のひとときが表現されています。
棚の上の地球儀や壁に掛けられた地図は、当時のオランダが先駆けていた地図製作の成果を伝えています。地球儀には海上貿易で重要だったインド洋が描かれ、穏やかな室内の風景から、その向こうに広がる世界も感じられる作品です。
近代絵画の見どころ
モネ《昼食》
作者:クロード・モネ/制作年:1868年

食卓を囲むモネの家族と、客人、使用人を描いた作品です。白いテーブルクロスの上にはパンや果物、食器が並び、家庭の日常が丁寧に描かれています。注目したいのは、何気ない食事の場面を、高さ約2.3メートルもの大きな画面に描いたこと。当時、歴史や神話を描く絵画に用いられたような大きさで、身近な暮らしに堂々とした存在感を与えています。
この絵は1870年のパリのサロンで落選し、1874年の第1回印象派展に出品されました。後のモネに見られる自由な筆遣いとは異なる、初期の表現を楽しめる作品です。
ピカソ《フェルナンド・オリヴィエの肖像》
作者:パブロ・ピカソ/制作年:1909年

角ばった面を組み合わせて描かれた、ピカソの恋人フェルナンド・オリヴィエの肖像です。ふたりは1909年の夏、スペインのサラゴサ近郊の山中で過ごしました。顔や髪の起伏が背後の荒涼とした風景と響き合い、まるで山の稜線や谷が女性の姿へとつながるように見えます。
この絵は、形を細かな面に分けて再構成する「分析的キュビスム」の重要な作品です。顔の輪郭や陰影をたどると、人物を描きながら、形そのもののリズムを生み出そうとしたピカソの表現が見えてきます。
マルク《雪の中に横たわる犬》
作者:フランツ・マルク/制作年:1911年頃

雪の上で穏やかに眠るのは、マルクの愛犬ルッシ。白いシェパードの雑種ですが、毛並みは黄色や緑を帯びて描かれています。白い雪と白い毛が、周囲の色によってどう見えるかを探った作品で、安らかな寝姿には、マルクが動物に見いだした純粋さや自然との調和が表現されています。
2007年には『フランクフルター・アルゲマイネ新聞(FAZ)』の読者投票で、ティッシュバインのゲーテ像を押さえ、シュテーデルのお気に入り作品第1位に選ばれたこともあります。愛犬を描いた一枚が、美術館を代表する歴史的な作品を上回ったという、印象的なエピソードです。

展示替えや他館への貸出しなどにより、掲載作品が展示されていない場合があります。お目当ての作品がある方は、訪問前に美術館の公式サイトで展示状況をご確認ください。
ミュージアムショップ・カフェ・レストラン

ミュージアムショップには、展覧会の図録や美術書、作品のポストカード、文房具、雑貨などが並びます。鑑賞した作品の思い出を持ち帰ったり、お土産を探したりするのにも楽しめる場所です。ショップに併設されたカフェでは、マイン川やフランクフルトの街並みを眺めながら休憩できます。
| 施設 | 営業時間・休業日 | 内容・特徴 |
|---|---|---|
| ミュージアムショップ | 火・水・金~日:10:00~18:00/木:10:00~20:00/月曜休業 | 図録、美術書、ポストカード、文房具、アクセサリーなど。メインホール右側から入れ、美術館の入場券なしでも利用できます。 |
| シュテーデル・カフェ | 火~日:10:00~18:00/月曜休業 | ショップ併設のセルフサービス式カフェ。コーヒーや紅茶、ケーキ、焼き菓子、サンドイッチ、サラダなどを提供。 |
| シュテーデル・レストラン | 改修工事のため休業中 | 新しい飲食コンセプトでの再開を予定。現在の公式案内には、具体的な再開日の記載はありません。 |
※営業時間・営業状況は2026年10月確認。祝日などの特別営業時間は、美術館公式サイトをご確認ください。

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