ハノーファーは、ドイツ北部ニーダーザクセン州の州都で、世界最大級の見本市「ハノーファー・メッセ」でも有名です。日本ではかつて英語読みの影響から「ハノーバー」や「ハノーヴァー」と呼ばれることもありましたが、現在ではドイツ語発音に近い「ハノーファー」が定着してきているようです。この記事でも「ハノーファー」表記で統一します。
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今回は、ハノーファーの見どころを無理なく1日で回れる観光ルートをご案内します。
ハノーファーってどんな街?
ハノーファーは、ドイツ北部を代表する都市のひとつです。かつてはハノーファー王国の中心地として栄え、現在も市内にはその歴史を感じさせる建物や記念碑が残っています。第二次世界大戦では中心部が大きな被害を受けましたが、戦後に再建され、現在は行政・文化・見本市の街として知られています。
また、ハノーファーは「Hochdeutsch(標準ドイツ語)」がきれいに話される街として有名です。ドイツ語学習者にとっては、「一番訛りのない標準ドイツ語」として知られています。

私が大好きな漫画家、青池保子先生の「Z」の中で、主人公がきれいなドイツ語を喋る”ハノーファー生まれのドイツ人”だったのがずっと印象に残っています。
ハノーファーへのアクセスと市内交通
ハノーファーは、ドイツ国内の主要都市から鉄道でアクセスしやすい街です。鉄道はハノーファー中央駅(Hannover Hauptbahnhof)に発着します。
🌐 DB(ドイツ鉄道)の公式サイトから、最新の所要時間や運賃を確認してください。
市内交通
ハノーファー市内は、Stadtbahn(路面電車・地下区間あり)、Sバーン、バスなどの公共交通が整っており、GVHのチケットで利用できます。中心部の観光は徒歩でも回りやすいですが、ヘレンハウゼン王宮庭園など少し離れた場所へ行く場合は、公共交通を使うと便利です。
🌐 市内交通のチケットや料金は、GVH(ハノーファー交通連盟)の公式サイトで確認できます。
ドイツ全土の公共交通機関が定額で使える「Deutschlandticket(ドイチュランドチケット)」ももちろん利用可能です。こちらの記事で詳しく紹介しています。
ハノーファー街歩きモデルコース

午前と午後にわけて、見どころを効率よく回るモデルコースです。時間が限られる場合は、午前のルートに新市庁舎を追加すれば、半日で十分楽しめます。
午前:旧市街に残る歴史の面影をたどる
- ハノーファー中央駅からオペラハウス前広場(Opernplatz)へ
- 旧市庁舎 (Altes Rathaus)
- マルクト教会 (Marktkirche)
- 旧市街(Altstadt)散策
- ゲッティンゲン七教授記念碑(Denkmal der Göttinger Sieben)
- マルクトハレ (Markthalle)でランチ
午後:壮麗な新市庁舎と王宮庭園を楽しむ
- 新市庁舎(Neues Rathaus)内部見学
- マシュ・パーク(Maschpark)
- ニーダーザクセン州立博物館(Landesmuseum Hannover)時間があれば
- ヘレンハウゼン王宮庭園(Herrenhäuser Gärten)へ公共交通で移動
※ヘレンハウゼン王宮庭園は、以下のGoogleマップ外です。
ハノーファーの見どころ
ハノーファー州立歌劇場(Staatsoper Hannover)とオペラ座前広場(Opernplatz)

ハノーファー州立歌劇場は、1845年から1852年にかけて王立宮廷劇場として建てられました。現在もオペラ、バレエ、コンサートなどが上演される、ハノーファーを代表する劇場のひとつです。
歌劇場の前に広がるオペラ座前広場は、街の中心部にありながら、クラシカルな建物と開放的な広場が調和した空間です。美しい舗装や周辺の彫刻が落ち着いた雰囲気をつくり、日中の街歩きはもちろん、オペラやバレエの公演前後にも華やかな表情を見せます。
📍住所:Opernpl. 1, 30159 Hannover
🌐公式サイト(独)
旧市庁舎 (Altes Rathaus)

旧市庁舎は、ハノーファー旧市街に残る中世建築の代表的な建物です。赤レンガの外観と細かな装飾が印象的で、北ドイツらしいレンガ・ゴシック様式の雰囲気を今に伝えています。
建物の歴史は13世紀頃までさかのぼり、その後、長い年月の中で増改築や修復を重ねてきました。19世紀には取り壊しの危機もありましたが、保存運動によって残され、現在も旧市街の歴史を感じさせる建物として親しまれています。
📍住所:Köbelingerstraße 4, 30159 Hannover
🌐公式サイト(英)
マルクト教会 (Marktkirche)
マルクト教会は、ハノーファー旧市街を代表する教会で、14世紀に建てられた北ドイツのレンガ・ゴシック様式の建物です。高くそびえる塔と赤レンガの外観が印象的で、旧市街の中心に立つハノーファーのランドマークのひとつです。

第二次世界大戦中の空襲で大きな被害を受けましたが、戦後に再建され、1952年に現在の姿へと戻されました。内部は赤レンガの柱が並ぶ落ち着いた空間で、外観の力強さとはまた違う静かな雰囲気があります。
旧市街を歩くと、塔の姿が通りの向こうに見え、街の歴史を感じさせてくれます。周辺には古い街並みも残り、ハノーファー中心部で中世の面影を感じられる場所です。

📍住所:Hanns-Lilje-Platz 11, 30159 Hannover
🌐公式サイト(独)
⛪開館時間:月~金 10:00-18:00、土 10:00-17:00、日 9:30-18:00
🎫入場料:無料
旧市街(Altstadt)散策
旧市庁舎やマルクト教会の周辺には、ハノーファー旧市街らしい落ち着いた街並みが広がっています。赤レンガの歴史的建物や石畳の道、小さな広場が続き、近代的な都市としてのハノーファーとはまた違った表情を感じられるエリアです。
周辺にはカフェやレストランもあり、街歩きの途中で休憩しながら雰囲気を楽しめます。歴史的な建物を眺めるだけでなく、路地を少し歩いてみると、旧市街ならではの静かな魅力が見えてきます。
毎週土曜日には、ライネ川沿いの Hohes Ufer 周辺で、ハノーファー名物の旧市街フリーマーケット(Altstadtflohmarkt)も開かれます。アンティークや雑貨、古本、レコードなどが並ぶ伝統ある市で、日程が合えば、旧市街散策とあわせてのぞいてみるのも楽しいです。開催:3月~10月 毎週土曜日、10:00-18:00 🌐公式サイト(日本語自動翻訳)

ゲッティンゲン七教授記念碑(Denkmal der Göttinger Sieben)

旧市街の一角にあるゲッティンゲン七教授記念碑は、1837年にハノーファー王国で起きた「ゲッティンゲン七教授事件」を記念するブロンズ像群です。この事件では、ゲッティンゲン大学の7人の教授が国王の方針に抗議し、その中には『グリム童話』で知られるグリム兄弟も含まれていました。
この記念碑は1998年に設置され、作者はイタリアの彫刻家 Floriano Bodiniです。とても興味深い事件なので、詳しい背景や、記念碑に込められた意味については、別記事であらためて紹介予定です。
📍住所:Platz der Göttinger Sieben, 30159 Hannover
🎫入場料:無料(屋外施設)

私は10年前に初めてハノーファーでこの像群を見た時、激しく心をつかまれたんですよ!日本ではまだあまり紹介されていませんが、ぜひ立ち寄ってみてください。
マルクトハレ (Markthalle)

マルクトハレは、ハノーファー中心部にある屋内市場です。「ハノーファーの胃袋」とも呼ばれ、地元の人たちにも親しまれている食のスポットです。現在の建物は第二次世界大戦後に再建されたものですが、市場としての歴史は1892年までさかのぼります。
館内には、野菜や果物、肉・魚、チーズ、パンなどの食材を扱う店のほか、軽食や各国料理を楽しめる飲食店も並んでいます。ドイツらしい軽食を選んでもよいですし、歩き疲れたところでコーヒーやランチを取るのにも便利です。
📍住所:Karmarschstraße 49, 30159 Hannover
🌐公式サイト(独)
🕛営業時間:月~水 7:00-20:00、木金 7:00-22:00、土 7:00-16:00
新市庁舎(Neues Rathaus)

新市庁舎は、ハノーファーを代表するランドマークのひとつです。宮殿のようにも見える堂々とした建物ですが、現在も市長や市の行政機関が入る現役の市庁舎として使われています。1913年に完成、設計を手がけたのは建築家 Hermann Eggert です。高さ約97.7メートルのドームは遠くからでもよく目立ち、ハノーファー中心部の印象的な風景をつくっています。
ドームへ上るユニークなエレベーターは、ドームの形に沿って曲線状に上がり、展望台からはハノーファー市街を一望できます。天気がよければ、Deister や Harz 山地方面まで見渡せます。
📍住所:Platz der Menschenrechte 1, 30159 Hannover
🌐 公式サイト(日本語自動翻訳)
🎫オーディオガイド(英独): 大人6ユーロ(2026年6月現在)
🎫展望台: 大人5ユーロ (営業期間: 2026年3月13日~2026年10月31日 詳細はこちら)
🕛公開時間:月~金 8:00-18:00 土日 10:00-18:00
ガイドツアー
ドイツ語のみになりますが、ガイド付きで通常は訪問者が立ち入ることのできないエリアにも入れます。エレベーター代は含まれないのでご注意ください。
マシュ・パーク(Maschpark)

マシュ・パークは、新市庁舎の南側に広がる緑豊かな公園です。園内の中心には大きな人工池「マッシュタイヒ」があり、その周りを遊歩道が囲んでいます。池のほとりからは、新市庁舎の美しい外観を水辺越しに眺めることができ、写真を撮るにもおすすめの場所です。
堂々とした市庁舎の建物と、緑に囲まれた池の風景が重なり、ハノーファー中心部とは思えない落ち着いた雰囲気を楽しめます。新市庁舎を見学したあと、少し歩いて景色を眺めたり、午後の観光前にひと息ついたりするのにぴったりのスポットです。
📍住所:Platz d. Menschenrechte 2, 30159 Hannover
🎫入場料:無料(屋外施設)
ニーダーザクセン州立博物館(Landesmuseum Hannover)

ニーダーザクセン州立博物館は、ハノーファーを代表する博物館です。美術館、自然史博物館、考古学博物館の要素をあわせ持つ総合博物館で、ひとつの建物の中で幅広い展示を楽しめます。
館内は、自然の世界、人間の歴史、美術の世界をめぐるように構成されており、恐竜や動物、魚類などの自然史展示、考古学資料、民族学コレクション、絵画や彫刻などが並びます。中世から近現代までのヨーロッパ美術も充実しており、ルーカス・クラナッハ、ルーベンス、パウラ・モーダーゾーン=ベッカーなどの作品も所蔵されています。
📍住所:Willy-Brandt-Allee 5, 30169 Hannover
🌐公式サイト(独)
⛪開館時間:火~日 10:00-18:00、月曜休館
🎫入場料:大人10ユーロ、金曜14:00-18:00 無料(特別展示を除く)
モデルコース通りにニーダーザクセン州立博物館からヘレンハウゼン王宮庭園へ行く場合は、最寄り駅Aegidientorplatz まで徒歩(約10分)で移動し、Stadtbahn 4番または5番に乗ってHerrenhäuser Gärten で下車します。
ヘレンハウゼン王宮庭園(Herrenhäuser Gärten)

ヘレンハウゼン王宮庭園は、ハノーファーを代表する庭園群です。ドイツ語名の Herrenhäuser Gärten は、発音に近づけると「ヘレンホイザー・ゲルテン」ですが、日本語では「ヘレンハウゼン王宮庭園」という名前で広く紹介されています。
17世紀に整えられた豪華な庭園で、中心となる大庭園では、幾何学的な花壇や並木、彫刻、野外劇場があり、さらにヨーロッパ最大級の高さを誇る噴水も見どころです。ハノーファー中心部とは雰囲気が大きく変わり、王侯貴族の庭園文化を感じられる場所です。園内には、色鮮やかな現代アートで装飾されたグロッテもあり、歴史的な庭園の中に少し意外な見どころもあります。
📍住所:Herrenhäuser Str. 4, 30419 Hannover
🌐 公式サイト(日本語自動翻訳)
🎫入場料: コンビチケット 4月~10月 大人10ユーロ、11月~3月 大人8ユーロ(2026年6月現在)
🕛営業時間:施設、月によって異なるため、こちらの公式サイトで確認してください。
ガイドツアー
ドイツ語のみになりますが、ガイド付きで庭園を1.5時間でめぐるツアーです。チケット代込み。
ガイド付きカヌーツアー
普段の観光とは違う角度から、ハノーファーを眺めてみませんか?ツアーには英語ガイド対応のものと、ドイツ語ガイドのみのものがあります。申し込み前に、リンク先で内容をご確認ください。
おわりに
ハノーファーは、街歩きのしやすさと、歴史・文化・緑が自然につながる心地よい街です。駅から歩いて回れる範囲にも見どころが多く、少し足を延ばせば、ヘレンハウゼン王宮庭園のような華やかな景色にも出会えます。1日で観光するのにぴったりの街だと思います。

ドイツ北部を旅する機会があれば、ぜひ訪れてみてくださいね!
🏰ドイツ各地の観光スポットや街歩きコースは、他の記事でも紹介しています。人気都市から歴史ある町まで、現地在住の筆者がまとめた旅行ガイドを掲載しています。ぜひ[ドイツ観光案内カテゴリー]もあわせてご覧ください。
画像出典:
*1 Von Losch – Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, Link
*2 Von Heidas, CC BY-SA 3.0, Link
*3 Von Losch – Von Losch am 9. März 2009 in die deutschsprachige Wikipedia geladen., Copyrighted free use, Link
*4 Von Johannes D. – Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, Link





