フランクフルトから電車でわずか1時間。ヴォルムスは中世ドイツ文学を代表する英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』の舞台となった町です。町のあちこちに物語をモチーフとした噴水やオブジェ、登場人物の名前を冠した通りがあり、ファンでなくても思わず中世の世界に引き込まれてしまいます。

今回は、現地取材も兼ねて久しぶりにヴォルムス観光に行ってきました!古都の魅力をたっぷりとお届けします。
★本ページにはプロモーションが含まれています。
- ヴォルムスってどんな街?
- ヴォルムスへのアクセスと市内交通
- ヴォルムス街歩きモデルコース
- ヴォルムス市内の見どころ
- 『ニーベルンゲンの歌』連載紹介
- 旅行におすすめ便利グッズ
- おわりに
ヴォルムスってどんな街?

ドイツ南西部、ライン川沿いに位置するヴォルムス(Worms)は、2000年以上の歴史を誇る古都です。中世には神聖ローマ帝国の重要都市として栄え、世界史にその名を刻んできました。
1521年のヴォルムス帝国議会では、マルティン・ルターが自説の撤回を拒絶し、宗教改革の大きな転換点となりました。また、中世ドイツの壮大な英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』前半の主要な舞台でもあり、竜殺しの英雄ジークフリートの伝承が街の随所に息づいています。
さらに、ラインヘッセン地方の豊かな気候に恵まれた伝統的なワインの銘醸地であり、中世から続くユダヤ文化の息吹を今に伝える史跡は、世界遺産にも登録されています。幾重もの歴史と文学のロマンが交差する、知的な魅力に満ちた都市です。
ヴォルムスへのアクセスと市内交通
鉄道でのアクセス
フランクフルト中央駅から、快速列車REで約1時間。ヴォルムス中央駅(Worms Hbf)で下車します。
| 乗車駅 | 下車駅 | 電車 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| フランクフルト中央駅 | ヴォルムス中央駅 | RE4・RE14 | 約1時間 |
🌐 DB(ドイツ鉄道)の公式サイトから、最新の所要時間や運賃を確認してください。

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市内交通
ヴォルムス旧市街の主要な観光スポットは徒歩で回れる範囲にまとまっていますが、ライン川沿いや市内各地への移動にはバスも利用できます。
🌐 市内交通の時刻表やチケット料金は、VRN(ライン=ネッカー運輸連合公式サイト)で確認できます。
ドイツ全土の公共交通機関が定額で使える「Deutschlandticket(ドイチュランドチケット)」ももちろん利用可能です。こちらの記事で詳しく紹介しています。
ヴォルムス街歩きモデルコース
午前(もしくは半日)市内散策コース
- ヴォルムス中央駅から、ニーベルンゲンの歌の泉へ
- ルター記念碑
- マルクト広場とヴォルムス市庁舎
- 三位一体教会
- ヴォルムス大聖堂
- ハイルスホーフ公園
午後 旧ユダヤ人街とライン川沿いを歩く
- 聖マルティン教会
- ヴォルムス・シナゴーグと旧ユダヤ人街
- ハーゲン記念碑
- クリームヒルトの薔薇園
- ニーベルンゲン塔とニーベルンゲン橋
ヴォルムス市内の見どころ
ヴォルムス中央駅



①中央駅ホームに到着
②右側のAusgang City(市内方面出口)と書かれた方に進みます。
③ヴォルムス中央駅外観。駅構内にはキオスク、ベーカリー、バーガーキングなどがあります。
最初の目的地「ニーベルンゲンの歌の泉」は徒歩2分の距離です。
ニーベルンゲンの歌の泉(Nibelungenliedbrunnen)

ニーベルンゲンの歌の泉は、ヴォルムスの彫刻家グスタフ・ノンネンマッハーが手がけ、2003年に設置されたブロンズ製の泉です。巨大な本を開いたような形をしており、そのページには『ニーベルンゲンの歌』の一節が中高ドイツ語と現代ドイツ語で刻まれています。
ページの間には、隠れ蓑をまとったジークフリートの助けを借りてグンターがブリュンヒルドを組み伏せる場面、大聖堂の前で繰り広げられる王妃たちの争い、ハーゲンによるジークフリート殺害など、物語の重要な場面が立体的に表現されています。
📍住所:Rathenaustraße 33, 67547 Worms
🌐ヴォルムス市公式サイト(英)
🕛 24時間見学可(屋外モニュメント)
ルター記念碑(Lutherdenkmal)

ルター記念碑は、1521年のヴォルムス帝国議会で自説の撤回を拒んだマルティン・ルターを中心に、宗教改革の歴史を表した世界最大級の記念碑です。彫刻家エルンスト・リーチェルが設計し、彼の死後は弟子たちが制作を引き継ぎ、1868年に完成しました。
中央には、高さ3.5mのルター像が立っています。周囲にはヤン・フスやジョン・ウィクリフなど宗教改革の先駆者、ルターを支えたフリードリヒ賢公やメランヒトンなどの像が並び、台座にはヴォルムス帝国議会の場面も刻まれています。記念碑は木々と芝生に囲まれたルタープラッツの緑地に建ち、公園のような空間になっています。
📍住所:Lutherring, 67547 Worms
🌐ヴォルムス市公式サイト(英)
🕛 24時間見学可(屋外モニュメント)
マルクト広場(Marktplatz)とヴォルムス市庁舎(Rathaus Worms)

マルクト広場は、三位一体教会や市庁舎に囲まれた旧市街の中心です。現在の市庁舎は、第二次世界大戦で大きな被害を受けた街の復興の象徴として1958年に完成し、塔には天文時計とカリヨンが備えられています。
広場では毎週火・木・土曜の7:00~13:00に市場が開かれ、野菜や果物、チーズ、肉、パンなどが並びます。2~10月の土曜には地元ワイナリーによるワインの試飲・販売も9:00~15:00に行われ、買い物客でにぎわいます。※祝日を除く
📍住所:Marktplatz, 67547 Worms
🕛 市庁舎は外観のみ24時間見学可
三位一体教会(Dreifaltigkeitskirche)

三位一体教会は、マルクト広場に建つプロテスタント教会です。1709~1725年、1689年のプファルツ継承戦争で焼失した「世界で最も美しい家」と呼ばれたハウス・ツア・ミュンツェの跡地に、宗教改革の記念教会として建てられました。当時、この場所がルターが1521年の帝国議会で皇帝の前に立った所だと考えられていたためです。
1945年の空襲で内部が焼失しましたが、1959年までに再建。明るく簡潔な堂内では、ヴァルター・エグリン作のモザイク画《皇帝と帝国の前に立つルター》や、使徒信条とルターの解説を表した陶製の文字を見ることができます。
📍住所:Marktplatz 12, 67547 Worms
🌐ヴォルムス市公式サイト(英)
🕛開館時間:夏時間:8:00-18:00、冬時間:9:00-17:00
🎫 入場料:無料(寄付歓迎)※通常は開館時間内に内部を見学できますが、礼拝などにより入れない場合があります
ヴォルムス大聖堂(Dom St. Peter)

ヴォルムス大聖堂(聖ペーター大聖堂)は、マインツ、シュパイヤーと並ぶライン川上流の三大皇帝大聖堂の一つです。現在の建物は、11世紀初頭にブルヒャルト司教が築いた聖堂を基礎に、1130~1181年に建設されました。四本の円塔と東西二つの内陣を備えた、重厚なロマネスク建築が特徴です。
堂内にはバルタザール・ノイマン設計の壮麗なバロック様式の主祭壇があり、南側には聖書の場面を彫刻で表したゴシック様式の入口も残されています。
『ニーベルンゲンの歌』では、大聖堂の入口で、クリームヒルトとブリュンヒルトが「どちらが先に中へ入るか」をめぐって激しく対立します。北側入口には、この場面を記したプレートが設置されています。
📍住所:Domplatz, 67547 Worms
🌐公式サイト(独)
🕛開館時間:夏季:月~土 9:00-17:45、日 11:30-17:45
冬季:月~土 10:00-16:45、日 11:30-16:45
※礼拝中は見学できません
🎫 入場料:無料(寄付歓迎)
ハイルスホーフ公園(Heylshofpark)

ハイルスホーフ公園は、ヴォルムス大聖堂の北西側に広がる庭園で、大きな木々が生い茂る静かな空間です。かつてここには司教館があり、1521年4月17・18日、帝国議会に召喚されたルターが皇帝カール5世の前で自説の撤回を拒みました。司教館は1689年の市街破壊で焼失しています。
園内にはルターの言葉を刻んだ記念板、旧司教館と教会分裂を表現したブロンズレリーフ、実際に中に立てる巨大な「ルターの靴」が設置されています。このほか、庭園内にはオットー・フォン・ビスマルクの胸像も置かれています。
📍住所:Stephansgasse 9, 67547 Worms
🌐ヴォルムス市公式サイト(英)
🕛開園時間:毎日 通常9:00~日没(最も遅くて17:00)
🎫 入場料:無料
その他の『ニーベルンゲンの歌』関連の見どころ in Worms

ヴォルムスにはまだまだニーベルンゲン関連のスポットが沢山あります。いずれ別記事で【聖地巡礼・旅行記】としてご紹介したいと思っています!

- 運命の輪(Schicksalsrad):
ヴォルムスの歴史と市民生活を両面に刻んだ回転式の青銅作品で、「王妃の争い」も描かれています。
📍Obermarkt, 67547 Worms - ジークフリートの泉(Siegfriedbrunnen):
竜殺しの英雄ジークフリートを頂点に据えた、ロマネスク様式を思わせる石造りの泉です。
📍Hagenstraße 4, 67547 Worms - 砂岩レリーフ「ジークフリートのヴォルムス入城」(Sandsteinrelief „Siegfrieds Einzug in Worms“):
ジークフリートが従者を率いてヴォルムスへ入城する場面を描いた、ゲオルク・ヴルバ作のレリーフです。
📍Marktpl. 10, 67547 Worms - 皇帝の門「王妃の争い」のプレート(Tafel „Streit der Königinnen“ am Kaiserportal):
大聖堂へ入る順番をめぐってクリームヒルトとブリュンヒルトが争う、物語の一場面を伝えています。
📍Domplatz, 67547 Worms
聖マルティン教会(Kirche St. Martin)

聖マルティン教会は、赤い砂岩で築かれたロマネスク様式の三廊式バシリカです。現在の建物には12~15世紀の建築様式が残り、写真の西正面には丸窓と初期ゴシック様式の門が見られます。かつては聖マルティン参事会の教会で、名門ダールベルク家の墓所でもありました。
伝承によると、356年、ローマ軍の兵士だった聖マルティンが兵役を拒み、この場所に投獄されたといわれています。教会北側の外壁には、かつて「マルティンの牢獄」へ通じたとされる低いアーチが残されています。
ルートヴィヒ広場側からの外観は、大きなWORMSの文字のモニュメントと共に絶好のフォトスポットとなっています(トップ画像参照)。
📍住所:Martinsgasse 4, 67547 Worms
🌐ヴォルムス市公式サイト(独)
🕛開館時間:毎日 10:00~日没まで
🎫 入場料:無料(寄付歓迎)※入口はルートヴィヒ広場側の中庭にある側面入口
ヴォルムス・シナゴーグ(Synagoge Worms)と旧ユダヤ人街

ヴォルムス・シナゴーグが建つユーデンガッセ一帯は、10世紀末からユダヤ人が暮らした旧ユダヤ人街です。中世には「ライン川の小エルサレム」と称され、アシュケナジ系ユダヤ文化の中心地として栄えました。
最初のシナゴーグは1034年に建てられ、1174~75年にロマネスク様式で再建。1938年11月にナチスが扇動したユダヤ人への一斉襲撃、いわゆる「水晶の夜」で焼き払われましたが、残された部材を用いて復元され、1961年に再び献堂されました。シナゴーグ、女性礼拝堂、ミクワ、ラシ・ハウスは、2021年に世界遺産「シュパイヤー、ヴォルムス、マインツのSchUM遺跡群」に登録されています。周辺には中世の市壁やラシ門も残っています。
📍住所:Synagogenplatz, 67547 Worms
🌐ヴォルムス市公式サイト(英)
🕛開館時間:4月~10月 10:00-17:00、11月~3月 10:00-16:00
🎫 入場料:無料
ライン川沿いを散策

お天気のいい日は、ライン川沿いをゆっくり散策しましょう。ここにも『ニーベルンゲン』関連のスポットがたくさんあります。
ハーゲン記念碑(Hagendenkmal)

ハーゲン記念碑は、『ニーベルンゲンの歌』でハーゲンが伝説の財宝をライン川へ沈める場面を表した青銅像です。1905年、ヴォルムス出身の彫刻家ヨハネス・ヒルトによって制作され、実業家コルネリウス・ヴィルヘルム・フォン・ハイルから市へ寄贈されました。
当初は市立公園ビュルガーヴァイデに置かれていましたが、1932年に現在のライン川岸へ移設。財宝の箱を抱え、今まさに川へ投げ込もうと身を乗り出すハーゲンの姿が、物語の一場面を再現しています。
📍住所:Am Rhein 5, 67547 Worms
🌐ヴォルムス市公式サイト(英)
🕛 24時間見学可(屋外モニュメント)
クリームヒルトの薔薇園(Kriemhilds Rosengarten)

クリームヒルトの薔薇園は、13世紀頃に成立した英雄叙事詩『ヴォルムスの薔薇園』(注:『ニーベルンゲンの歌』のクロスオーバー的作品。作者不詳)に登場する、クリームヒルトが守る庭園をモチーフにしたランドアートです。ヴォルムスの芸術家アイヒフェルダーが構想し、2021年に完成しました。
曲線状の通路に沿って薔薇の植え込みがあり、その中を実際に歩けるようになっています。開花状況によって印象は異なります(写真は9月の姿です)。ハーゲン記念碑のすぐ近くにあるので、あわせて立ち寄るとよいでしょう。
📍住所:Am Rhein 9, 67547 Worms
🌐ヴォルムス市公式サイト(英)
🕛 24時間見学可(屋外施設)
ニーベルンゲン塔(Nibelungenturm)とニーベルンゲン橋(Nibelungenbrücke)

ニーベルンゲン塔は、ライン川に架かるニーベルンゲン橋の、ヴォルムス側にそびえる高さ53mの橋門塔です。市建築家カール・ホーフマンの設計で1900年に完成し、重厚なネオ・ロマネスク様式は「ニーベルンゲン様式」と呼ばれています。かつて対岸にも双子の塔がありましたが、第二次世界大戦末期に破壊されました。
1900年開通の初代橋も1945年に爆破され、現在の橋は1953年に再建されたものです。ライン川で最初のプレストレスト・コンクリート橋であり、2022年には「ドイツの歴史的土木建造物」に認定されました。
📍住所:Am Rhein 1, 67549 Worms
🌐ヴォルムス市公式サイト(英)
🕛 外観のみ24時間見学可(屋外施設)
ライン川沿いの観光を終えた後は、最寄りのバス停「Worms, Rheinpromenade」から410番のバスに乗り、ヴォルムス中央駅(Worms, Hauptbahnhof)まで乗り換えなしで戻れます。所要時間は約8分です。
『ニーベルンゲンの歌』連載紹介
当サイトでは、中世ドイツ叙事詩『ニーベルンゲンの歌』を、日本語で読みやすく翻訳して紹介しています。まずは第一部、1~19の冒険を完成させるのを目標にがんばっています。
今回、このヴォルムスの記事を読んで『ニーベルンゲンの歌』に興味を持たれた方も、ぜひ連載で中世ドイツの世界に触れてみてくださいね。
旅行におすすめ便利グッズ
観光中はスマホで地図を見たり、時刻表を調べたり、ドイツ語を確認したりと大忙し。そして写真も全部スマホで撮るので、充電があっという間に切れてしまいます!ヴォルムス観光中も、日本で買ってきたかわいくて軽量のモバイルバッテリーが大活躍しました。
管理人「まいん」の愛用品
可愛い見た目の薄型・軽量モバイルバッテリーです。海外旅行にも最適!
現地ではなかなか見つけにくい、軽くて優秀な晴雨兼用傘です。旅行用に1本あると重宝します。
おわりに
ヴォルムスは、市内の見どころがコンパクトに集まった街です。徒歩で半日で見て回ることも出来ますし、せっかくなのでライン川沿いまで足を伸ばして、1日ゆっくり観光するのもまた楽しいです。ふと目にした景色や建物が、中世の面影を残していて、この街の古い歴史がひしひしと感じられます。

『ニーベルンゲン』が好きすぎて、ヴォルムスに関して書きたいことがまだまだあります。別記事で【聖地巡礼】特集を必ず書きますね!お楽しみに。
🏰ドイツ各地の観光スポットや街歩きコースは、他の記事でも紹介しています。人気都市から歴史ある町まで、現地在住の筆者がまとめた旅行ガイドを掲載しています。ぜひ[ドイツ観光案内カテゴリー]もあわせてご覧ください。






